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リリなのinボクらの太陽サーガ
悪魔のアグリーメント
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「そして毒は腐敗の象徴として、その身に降りかかる災いになるんですか。アース属性と毒の関係が何となく理解できました」

「では次にエナジーと属性の関係を説明する。実は俺やジャンゴのような特殊な血筋の人間や魔女を除くと、ほとんどの人間が持つエナジーには属性が無い。いわゆる無属性って奴だ。後天的に暗黒物質を宿した場合はダーク属性に染まるが、本来なら魔法使用時の術式や魔法陣、レンズなどを通すことによって、ようやく属性が付与されるわけだ。ただ、俺やネピリムの場合は月光仔の血の効果もあって、根本がダーク属性でありながら他の属性も使えるようになっている」

「となると、太陽仔のジャンゴさんは魔法を発動する前からエナジーがソル属性になっているんでしょうか?」

「察しが良いなリンネ生徒、正解だ。そして魔女の場合では、大抵4大属性のどれかが根本を司っていることが多い。カーミラの場合はクラウド属性といったようにな」

「ではザジさんとエレンさんにも最初から属性があるんですか?」

「その質問は半分正解で半分間違いだ。エレンはカーミラと同じクラウド属性の魔女だが、ひまわり……ザジは比較的珍しい無属性の魔女だ。ついでに言うと大地の巫女リタは魔女とは違うが、アース属性を根本にしている。話を戻して、そもそも普通の魔女……まぁ、魔女自体数が少ない上に異端扱いだから普通と言うのも変な話だが、とにかく大抵は何かしらの属性を司っているものだ。例えばフレイム属性の魔女は炎を自在に操ったり、フロスト属性の魔女は水の上を歩いたりできるようにな」

「それだけ聞くと何だか夢のある話に見えますが……そんな風に魔女の力がわかりやすいってことはつまり……」

「そうだ、魔女は世紀末世界でも迫害の対象になっている。ヒトは自分の理解が及ばない異質な存在には過剰な拒否反応を抱いてしまう。そして属性持ちの魔女は力の存在がバレやすい故、そういった人達の迫害を受けやすい。だから人里から追い出された魔女は、アンデッドの闊歩する危険な場所で細々と生き延びるしかない。俺が初めてザジと会った時の彼女の境遇を知っているのなら、追い出されるまでの経緯も大体想像つくだろう。そんなわけで他の属性持ちの魔女とは運が良ければいつかどこかでお目にかかれるかもしれんが、それは少なくともこの物語が終わった後になる」

「そうですか……ただ、私には魔女の境遇がどうも他人事には思えなくて……魔女を救う良い方法は何か無いのでしょうか?」

「リンネ生徒の気持ちは俺も理解できるが、残念だが今は答えを濁すしかない。ヒトが今以上の多様性を受け入れられるようになれば、その問題も自ずと改善するのだろうが……今できるのはマキナのように、多くをとにかく知ることだな。ま、機会があればマキナの旅日記でも読んでみろ。たった2年
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