悪魔のアグリーメント
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『教えて! サバタ先生!!』
「はぁ……エピソード1で家庭教師の真似事をしたせいなのか知らんが、とにかく講義の時間だ。今回は“エナジー”について詳しく説明しようと思う。しかしその前に、お前達は属性ぐらいは知っているな? では属性の種類を……ティアナ生徒、答えてみろ」
「はい。ソル、ダーク、ルナ、フレイム、フロスト、クラウド、アース、この7属性です」
「正解だ。では今言ってもらった属性の特徴をそれぞれ説明しよう。まずソル属性、これは太陽の光そのものであり、暗黒物質の浄化作用がある。逆にダーク属性は暗黒物質から力を引き出す、ソル属性とは真逆でヒトに仇なす闇の力だ。ルナ属性は月の力で属性の中でも特殊だが、光にも闇にもなれる変幻自在の力だ。そして4大属性と広く知られるフレイムは炎、フロストは氷、クラウドは風、アースは大地の力で、炎と氷はそのままでもわかるから説明は省くが、風と大地には少々補足が必要だろう」
「あの〜、それならこの際ずっと疑問に思ってたことを訊きたいんですけど、なんでクラウド属性には石化の、アース属性には毒の効果があるんですか?」
「スバル生徒の指摘は尤もだ、その二つは炎と氷のようにわかりやすくはないからな。ズバっと簡単に言うなら、薬も過ぎれば毒となる、が適している。例としてお湯で表すと、適温なら心地よくても、沸騰するほど熱ければ火傷するだろう? 風と大地も同じだ。風は世界を巡り、命の芽吹きと繁栄をもたらすものだが、それらだけでなくウイルスなどの有害なものも運んでしまうことがあるし、ハリケーンのように強すぎる風は災害と摩耗を招いてしまう。その果てにあるのが全てを退廃させる風、即ち“死せる風”だ。その風に触れれば、たちまちその者には風化と終焉が訪れる……石化はその終焉を目に見える形で現しているのだ」
「はぁ……なんとなくわかったような、最後だけボカされたような……。じゃあアース属性ではどうなるんですか?」
「いくら生命の営みを担う大地と言えど、腐ったら毒になる。スバル生徒も腐った食べ物を食べたらどうなるか、もはや言うまでもないだろう?」
「あ、はい。今のはすっごく納得できました!」
「とはいえ、何も腐ることが悪いことではない。例えば納豆のようにな。あえて腐らせることで旨味を出すとは、普通思いつけるものではない。このように、日本の食文化には学ぶところが多いぞ。ま、だからと言って今の時世では、余程の理由が無い限り腐ったものに手を出す必要は無いがな。それとついでだが、腐葉土は名前にこそ腐るという字は入っているが、実際は栄養素が満載である以上、大地にとってはむしろ薬に近い性質がある。だから大地が腐るという意味を簡単に言うなら、栄養素が枯渇し、植物が全く生えず、食物連鎖による命の循環が出来なくなった状態となる」
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