2・通学にて
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「おはよう」
誰もが明るい声であいさつをしていく。
凰蝶も一つ欠伸をしながら挨拶をかえした。
少女が通う学校の名前は駒王学園。そして、何故か兵藤家に下宿させられるはめになっていた。
兵藤家の嫡男・兵頭一誠も駒王学園に通っている。なので、いつも一緒に登校している。他に、アーシア・アルジェント、塔城子猫、ゼノヴィア・クァルタ、紫藤 イリナと共に登校していた。
「どうだい?凰蝶ちゃん。学校には慣れた?」
一誠がにこりと微笑んで少女に言った。
「え、ええ、まぁ」
一誠から避けるように少女は答えた。
少女の名前は、鳳 凰蝶(おおとり あげは)という。
実は、彼女の両親の転勤により駒王学園に転校してきた2年生である。
同じクラスには塔城子猫がいた。
凰蝶は、どうしても一誠を好ましくは思えなかった。何故なら、学園での評判は最悪で、スケベの代名詞とまで言われるほどだからだ。が、それなのにどういう訳か一緒に同居している者達には、評価されているのである。それに、一部でも人気が高いというのが、凰蝶にとって理解不能だった。
「鳳さん、一誠先輩になにかされたら私に言ってください」
子猫が聞きづらい小さな声で凰蝶に言った。
「子猫ちゃん・・・」
一誠はその言葉に苦笑いをするしかなかった。
「え、えぇ、ありがとう、塔城さん」
凰蝶はひきつった笑顔で答えた。
凰蝶の印象的では、兵藤家に同居している人達は、変わった人が多いと思っていた。それに、転入手続きの際にあった学園長代理も、その秘書だという人も、そして、兵藤一誠のマネージャーだという人も同じく兵藤家に住んでいるというから驚きだった。
なんでも、ローカル番組に一誠は出演しているらしく、人気も高いのだそうだ。
凰蝶は見たことはない。が、その番組のタイトルがおっぱいドラゴンだというのだから、見たいとも思わない。
(いったい兵藤家ってどういう人達なんだろう?)
と不安に思いきや普通に自分の家族となんら変わらない家族だった。けれども、家は凄かった。
いくつもの部屋があり、リビングも広かった。
学園長代理の父親がリホーム、増改築を無償で行ったいう話を聞いたことがあったが、これほど凄いのかとも驚いた。
が、凰蝶には、どうしても一誠を受け入れる事が出来なかった。
「おはよ、みんな」
「おはようございます、みなさん」
二人の学生が声をかけてきた。
一人は学園で女子人気一番のイケメン・木場裕斗。そして、もう一人は男子生徒でありながら駒王学園の女子制服をきているギャスパー・ヴラディ。
このギャスパーも同じクラスの一員だった。
そして、彼ら全員がある部活のメンバーだった。
その部活の名前は、オカルト研究部。
凰蝶もまた、その部活に
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