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マイ「艦これ」「みほ3ん」
EX回:第14話(改2.3)<司令の願掛け>
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は何かワケありですか?」

全員の視線が私に集まる。
(やはり言うべきか……)

私は軽く手を組んで提督やブルネイの艦娘たちの方向を向いて説明を始めた。
「実は私、願掛けで酒断(さけだ)ちしてましてね」

提督の表情が少し変わった。
「ほう」

私は軽く頷いて続ける。
「まだ新米の指揮官ですし部下たる艦娘たちが沈まないようにと」

そこで一呼吸をおいた。今までもハッキリと言わなかったが美保の艦娘たちは何となく悟っていたのだろう。しきりに頷いている。

私は苦笑しながら続ける。
「今どき、こんなことするのは正直、古めかしいですよねえ」

だがブルネイの艦娘たちは急に真剣な表情になっていた。なるほど彼女たちにも私の姿勢は理解できるようだ。

ちょっと気恥かしくなった私は言い訳のように補足した。
「軍人としてはチョッと恥ずかしいので普段、人には言いませんが」

すると提督は黙りこんでいる。
(あれ?)
よく見たら、さっきからこちらに顔を見せないようにしている……ひょっとして泣いてるのか?

だが今までの彼の行動から見て特に違和感はない。

(彼は情が厚いホットな男なのだろう)
……そんな印象は受けていたから。

少し場が静かになった。雑談をしていた艦娘たちも黙っている。
それは重苦しいと言うよりは少し襟を糺されるような雰囲気だった。

美保の赤城さんが静かに口を開いた。
「私たち、所属の違う鎮守府の提督と艦娘たちが、こうやって同じ場を通して交わるっていうのは……きっと貴重なことなのでしょうね」

それを受けて龍田さんも語る。
「そうね。やっぱり、この場は偶然ではなく何らの意図が働いたと……そう思いたいわ」

その言葉に一同は深く頷くのだった。

(龍田さんも私と同じようなことを感じていたのか)
私の一言で場が変わったことにも驚いたが、龍田や赤城さんなど艦娘たちも目に見えないものへの感性が備わっているのだと気付かされた。

(この場で私がそれに気付くことも予め予定されていたのだろうか)
それは目に見えない糸のようなものが私と艦娘たち、さらにブルネイの艦娘を通してこの地の提督とも結ばれていく……そんな不思議な感覚を覚えた。

「縁か……」
そういえばお祭りのことを「縁日」と呼ぶな。何気なく、そんなことを思うのだった。



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