第十七幕:夏の街に弾む虹
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簡単だが、普通に並べただけではセンスがない。どうすれば楽しそうに見えるだろうか。
四角い写真を並べるのではなく、色々な形にトリミングをしてみると、少し楽しそうに見えてきた。これに「ふきだし」を追加して・・・この時、七夏ちゃんが話していた言葉を・・・と、思ったけど、これは、七夏ちゃん達にお願いする方が良いかも知れない。俺の思っている事と、七夏ちゃんが思っていた事が同じとは限らないからだ。このフォトアルバムは、七夏ちゃんの思い出を主にしたい。
トリミングで、写真を円や星の形にするのは簡単だが、輪郭を綺麗に縁取るのは、中々骨が折れる作業になるので、とっておきの一枚で行おうと思っている。今の所、その一枚の候補は、七夏ちゃんお気に入りの場所、海と街が見渡せる丘で撮影した七夏ちゃん・・・。
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・・・白いワンピースと大きな帽子がよく似合ってて、可愛いかった。七夏ちゃんの見ている虹が翠碧色の虹だという事を知ったのも、この時だった。この七夏ちゃんの写真を凪咲さんが見て、今のフォトアルバム作りに繋がっている訳か・・・。
さっきまで、天美さんの声(だと思う)が聞こえていたが、静かになっている・・・三人ともお休みしたのだろうか・・・。
しばらくの間、集中して「とっておきの七夏ちゃんの写真」をトリミングしていると、目が疲れてきたのか、なんだか眠たくなってきた。俺はそのまま机にうつぶせになり、目を閉じた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
時崎「ん・・・今、何時・・・かな?」
どのくらいの時間が経過したのだろうか・・・。MyPadの時計を見ようとするが、眩しくて時間がすぐに分からない・・・しばらくすると時刻の数字が認識できるようになってきた。
時崎「0時半過ぎ・・・か・・・ん?」
意識がはっきりしてくると、肩にお布団が掛けられている事に気付く・・・これは、きっと七夏ちゃんだろう。ちょっとうたた寝するつもりだったのだが、結構な時間寝ていた事になる・・・。今日は、このままお休みする事にしよう・・・俺は七夏ちゃんの心遣いに小さな声で「ありがとう」と、お礼を言い、楽しかった今日という日を閉じる事にした。
第十七幕 完
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次回予告
ふたつの虹が出逢った不思議な虹・・・それは、大切な存在となってゆくにつれて、少しずつ見え方も変わってゆくのだろうか?
次回、翠碧色の虹、第十八幕
「ふたつの虹へ重なる虹」
ふたつの虹が大切な存在へと色付くにつれ、ふたつの虹が認識する虹から目を逸らしている・・・このままでいいはずがないのだが・・・
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