1部分:TURN1 殿軍その一
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TURN1 殿軍その一
TURN1 殿軍
満州星域にだ。中帝国の艦隊が接近してきていた。
それを受けて日本帝国軍は四個艦隊を以て迎撃に出た。その中でだ。
日本は難しい顔をしてだ。連合艦隊司令長官に対して問うていた。
「果たして大丈夫でしょうか」
「中帝国の艦隊がか?」
「はい、どうも気になります」
こうだ。旗艦金剛の艦橋で難しい顔で言っていたのである。
「我が軍は四個艦隊。それに対して敵は八個艦隊です」
「敵の司令官は誰だったか」
「中国さんも妹さんも出撃されてはいません」
このことは既に知られていた。事前の偵察でだ。
「名のある司令官も出撃されていない様ですが」
「リンファ提督もランファ提督もな」
司令官は環境で仁王立ちとなっている。そのうえで腕を組み前を見据えながら日本に応える。彼も日本も他の将兵達も皆白い詰襟の日本の軍服を着ている。その色が艦橋の中に映えている。
その中でだ。司令官は日本に対して言った。
「いない。それではだ」
「恐れることはないというのですね」
「私はそう思うがな」
こう日本に言うのだった。
「だが祖国は違うのか」
「はい、どうも不安になります」
眉を曇らせてだ。日本は言う。
「私の気のせいであればいいのですが」
「確かに戦力は敵軍の方が上だ」
「相手は八個艦隊、こちらは四個艦隊です」
「しかし艦艇の質は我が軍の方が上だ」
日本の艦艇は曲がりなりにも近代化を達成していた。確かにガメリカやエイリスには劣る。空母の開発も遅れている。だがそれでも一定の水準には達していた。
しかし中帝国の艦艇はそうではなくだ。その質はお世辞にもだった。
「それではだ」
「恐れるに足りませんか」
「そう思うのだがな、私は」
「だといいのですが」
「それはそうとしてだ」
ここでだ。司令官の方から日本に尋ねてきた。
「今こうして祖国はここにいる」
「はい」
「妹殿と韓国、そして台湾は今は」
「妹は帝のお傍にいます」
まずは妹のことから答える日本だった。
「そこでいざという時に備えています」
「そうか」
「韓国さんも台湾さんもです」
「それぞれの場所にいるか」
「今満州に来ているのは私だけです」
そのだ。日本だけだというのだ。
「その他に国家として出撃している方はいません」
「そうか。話はわかった」
「柴神様も日本におられます」
日本帝国領内、そこに留まっているというのだ。その神もだ。
「そうなっています」
「わかった。では司令官だが」
「第四艦隊の東郷さんは前面に出されないのでしょうか」82
この人物の名前を出してだ。そして言う日本だった。
「あの方は」
「東郷提督か」
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