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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第643話】
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ャルが口を開く。
「うーん、猫用のビスケットを焼くには時間が掛かるし、どうしようかな」
腕組みして顎に人差し指を当てて思案するシャル、ビスケットという単語が飛び出した事ににゃん次郎。
機敏に反応を示すのだが物が無い以上期待しても無駄だと思ったのか目を伏せて尻尾をゆらゆら揺らした。
「ふむ……ならば我が黒ウサギ隊のワッペンでつるというのはどうだ?」
ラウラが制服に着けていた部隊章を外して見る、賛同も無ければ反対も無かったのでラウラは試す。
「こほん。 やあ、僕は黒ウサギ隊隊長のラウラウサ。 君と友達になりたいウサ」
突然のラウラの一人芝居に驚愕を見せる一同だが、シャルは何故か胸がキュンキュンしていた。
時折風呂上がり後の部屋にある黒ウサギのぬいぐるみとそんな会話をしてるのを見てから微笑ましくも思い、可愛くも見える。
にゃん次郎の方はというとチラッと見るのだが興味がわかなかったらしくまた目を伏せた――と。
「こういう時は、適任者に任せるのが……いい」
猫にアレルギーを持つ簪だけは部屋に入らずにそう告げる、今もくしゃみが出そうなのを我慢していた。
「ん〜、じゃあ美冬が遊んであげる。 おいで、にゃん次郎♪」
美冬がそう告げるや一夏が突っ込む。
「いや、名前はシャイニィだから」
「え? でもお兄ちゃんはずっとにゃん次郎って呼んでるよ?」
「てか、そもそもにゃん次郎って何だよ……ネーミングセンスがないよな、ヒルトって」
「ムッ! お兄ちゃんの悪口言うなー!」
牙を剥く美冬の剣幕に一夏は僅かに後退り、シャイニィことにゃん次郎は名前はもう呼びたいように呼んでいいとさえ思っている。
「じゃあにゃん次郎! 美春の頭に乗せてあげる!」
言い問答している二人の横をすり抜け、にゃん次郎を頭に乗せた美春。
突然不安定な所に乗せられたにゃん次郎は驚きに目を見開き、器用にジャンプするとテレビの上に着地した。
「あーん、逃げられちゃった……」
「ふむ。 ならば私が行こう」
そういってエメラルドカラーの髪を靡かせたのはエレン・エメラルドだった。
テレビの上に居るにゃん次郎に手を差し出すと――。
「……にゃー」
「……ニャ?」
何と猫の鳴き声の真似をして話し掛けたエレン。
ラウラといいエレンといい、軍人タイプはこういう事をするのが主流なのだろうか――真実は闇の中だ。
「にゃー、にゃー」
「にゃう、にゃうん」
「にゃ?」
「ニャ……ニャニャゥ……」
「……成る程」
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