暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第102話 最強のパーティー
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、2人ともが相応に負傷をしている。
 かなみが持ってきた薬と自分達が持っていたアイテムを併用し、何とか回復はしたのだが、万全とは程遠い。
 積み重ねてきた傷跡も残っているのだから当然だ。

「……ここが最後なんだ。最後まで、付き合ってくれ」

 自分の身体を見て、ユーリは身体に力を入れる。 
 口に呟くのは『煉獄』の二文字。地獄から吹き荒れるかの様な身に宿る怒りを源泉とする己の闘気。それは体力だけでなく精神力ででも威力が左右される。万全の状態で無かったとしても 戦わなければ未来はないのだ。だから、今 自分が出来る事。出来うる力を集中させていた。渾身の力を。

 だが、やはり傷の痛みが集中力を奪っていってしまう。

「くっ……」

 皆に聴こえない様に、気を使わせない様に小さく呻くユーリ。
 泣き言を言っても始まらない、と再び集中させようとしたその時だ。

「「みんなのいたいのいたいの、とんでけーっ!」」
「ほれほれ、たーんと味わいなさい。光る御馳走よ〜!」

 突如、部屋の中に雨が生まれた。優しく、温かく包み込む心地良い雨は、ユーリやトーマの傷を洗い流してくれて、更に降り注ぐ 光の粒が その傷に付着すると、みるみる内に 傷を治してゆく。

「ほらねー。ユーリの事だから ぜーーったい、自分には回復薬なんて使わない、って思ってたの、大当たりでしょ? ほんっと、厄介な性格してんだから」

 からから、と笑いながら入ってきたのはロゼ。そして祈りを捧げ、回復の雨を振らせてくれているのは クルック―とセル。

「ユーリ。間に合いました」
「ご無事で何よりです」

 ニコリと笑う2人。
 そして、更に続く。

「……ほんっと、いつもいつも…… 1人で走って。ちゃんと周りを見なさいよ! いつもいつも言ってるでしょ!! 言っとくけど、私は飽きたりしないからね! 何回でも言うから!! 何回でも、殴ってやるんだからね!!」

 バシッ! と背中に痛みが走った。
 だが、それは身体だけでなく心にまで届くような威力だ。 

「くくっ やるなぁ 志津香。ここまでこれただけでもヤバイのに。戦場突っ切ってここまで。あーあ、ランやトマト達はかわいそーだなー。ま、ちゃんと抑えてくれてる分、後でオレが『ユーリ分』を届けてやるつもり、って約束はしたけどな」

 新たに着実に入ってくるのは、心強い仲間達。

「間に合った様だな……。ユーリ。確か 逃げ帰ってくる、と言う話ではなかったのか?」
「ふふ。ユーリ殿が逃げるとは到底思えなかったので、それは 予想通りではないですか? 清十郎殿」
「まぁ、な。志津香ではないが あまり1人で行きすぎるな、と言うつもりで言ったまでだ。……オレを差し置いて、な」

 ここに集ったの
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