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『ある転生者の奮闘記』
一発ネタ
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宇宙戦艦三笠だ」

「三笠……ですか」

 狹霧の前に現れたのは狹霧と共に人類の滅亡を防ぐために宇宙を駆けた戦艦だった。

「実は十年前にある艦艇が難破していたのを鹵獲した。それのエンジンはお前もよく知っているはずだ」

「……まさかそれって……」

「そうだ。波動エンジンだ」




「また副官をやらしてもらいますよ長官殿」

「頼りにしてるでシャルロット」

 妻の参謀長復帰に思わず狹霧は微笑んだ。

「諸君ッ!! 俺が宇宙戦艦生駒艦長兼第三次移民船団司令長官の狹霧雪風だッ!!」

「カッコいいぞユキカゼッ!!」

 狹霧の妻の一人であるキャシーが囃し立てる。

 そして第三次移民船団が出航する。




「第一次移民船団と第二次移民船団はこのサーチネットに引っ掛かった」

「長官殿、移民船をフライバイさせましょう」

 シャルロットは雪風にそう言った。




 そして現れる謎の敵艦隊。

「何と言う大胆不敵なワープだ……」

「感心している場合では……」

「それもそうだな……全艦突撃ッ!!」

 迫りくる敵艦隊。

「主砲撃ち方初めェッ!!」

 交差するビーム弾、ミサイル、鉄鋼魚雷。

「日本の滅亡無くして我が連合の繁栄は無いッ!!」

 敵将は集まった諸将達にそう断言する。





 敵についていた一人の敵将は決断した。

「豚と交わり、豚に成り下がった己に気付いたのだよ……」

「……その言葉、覚えておこう」




「……圭子……」

 雪風はボロボロになった狹霧圭子の名前が書かれた将官帽子を見ていた。

「……必ず見つけてやるからな」




 そして雪風は決断する。

「我々は非道なるSUSに対して宣戦を布告するッ!!」

『ウワアァァァーーーッ!!』

 雪風の叫びに乗組員達は歓声を上げた。




 始まるのは猛烈なる艦隊決戦。

「撃ェッ!!」

「ハイパーニュートロンビーム発射用意」

 放たれるは大型砲。

「凄いエネルギー砲ですよッ!!」

「波動砲発射用意やッ!!」

 トリガーを持つのは雪風。

「発射用意完了ッ!!」

「波動砲発射ァッ!!」

 幾つもの波動エネルギー弾が全長三キロの要塞を貫いた。




 別れの時。

「儂は残る」

「宇垣長官……」

「儂はな東郷、この日本を見届けたいのだよ」

 老兵は笑う。




 縮まった親子の距離。

「圭子母さんは生きている」

「お父さん……」




 迫りくるカスケードブラックホール。

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