第7話 戦いと鮮血
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にあると看破した2人は――互いに頷き合うと、同時に銃口を一点に集中させる。次に彼らが撃ち抜いたのは、太?が着地する予定だった枝。
足場を奪われた太?は、そのまま墜落していき――彼を追撃すべく、2人も飛び降りていく。
だが、それこそが太?の狙いであった。他の樹木から垂れている蔓を手に取った太?は、そこから弧を描くように身を振って宙を滑り――空中にいる2人に、斬撃を浴びせる。
直前で気づいたメイセルドは辛くも防御に成功したが、反応が遅れたユアルクはまともに斬撃を浴び、墜落してしまった。メイセルドは反撃に出るべく、すれ違いざまに太?の背後に光線銃を撃ち込む。
星雲特警のエース「蒼海将軍」に痛打を浴びせたことによる、一瞬の隙。そこを突かれた太?は咄嗟に振り向き、銃口下部の光刃短剣で防御するが……その弾みで自分の銃を弾かれてしまった。
そこから反撃に出るべく、瞬時に頭部にあるトサカ状の刃――頭部光刃に蒼い光熱を纏わせ、一気に投げつけたのだが……それもメイセルドの剣閃により、弾かれてしまう。
難なく着地したメイセルドの肩を借り、なんとか立ち上がったユアルクは再び光刃剣を構え――体勢を立て直した太?も光刃剣を振るいながら、跳ね返された頭部光刃をキャッチする。
「シュテルオンッ!」
「……シュテルオン!」
間髪入れず、太?は愛機を呼び出し――メイセルドもそれに対抗し、エメラルドのジェット機を飛来させる。2人は各々の乗機に乗り込むと、弾かれたように森の上へと急上昇した。
「変形! 歩兵形態ッ!」
矢継ぎ早に、太?は自機をジェット機から人型に変形させる。眩く発光する蒼い両眼が、メイセルド機を捉えた。
『――覚えておくのだな。性能だけで埋められるほど、私とお前の経験差は浅くないと!』
だが、自在な角度から放てる光線砲の掃射を――エメラルドのジェット機は、難なくかわしていく。僅かな隙間を縫うように飛ぶ、反撃の一閃がヘイデリオン機の肩を掠めたのは、その直後だった。
「あぐッ!」
『その最新型を使いこなせぬうちは、私を潰すことなどできんぞ!』
「ならッ――今から使いこなします!」
手痛い反撃を浴びたヘイデリオン機の傍らを、メイセルド機が通り過ぎる――瞬間。太?は急加速を掛け、一気にエメラルドのジェット機へ肉薄した。
「ぐっ――がぁはッ!」
「なっ!? あいつ、なんて無茶を!」
その捨て身の行動に、地上から戦局を見ていたユアルクが声を上げる。
刹那、凄まじい圧力がコクピット内に掛かり、少年は仮面の中で鮮血を吐き出した。対Gスーツを兼ねているコスモアーマーがなければ、間違いなく即死している加速だ。
そして、血と痛みを代償に得た速さを以て――光
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