第1話 滅ぶべき血族
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もの体格を誇る、機械の巨兵達がひしめいていた。
連日続いた戦闘により、既に隊員の過半数が疲弊しきっている。だが、この機を逃してシルディアス星人を宇宙まで逃してしまえば、再び犠牲となる人々を増やしてしまうのだ。彼らの生体反応を追える装置も、外宇宙まで逃げられては効力を発揮出来なくなるのだから。
銀河の運命を預かる星雲特警として、それだけは避けねばならない。メイセルドは指揮官の身でありながら、隊員達の先頭に立ち戦場を駆け抜ける。
老兵と言えども、剣の腕は未だに衰えず。彼はがむしゃらに挑み掛かるシルディアス星人の残党達を、次々と切り捨てていく。
彼らという命は物言わぬ肉塊と化し、焦げ臭い骸となって大地に散らばっていた。その様を見せつけられ、圧倒的な不利を感じ始めた残りの星人達は、退却を始めるが――彼らの背に、メイセルドは容赦なく光線銃を撃ち放つ。ピストルの銃口から迸る閃光が、次々と逃げ惑う異星人達に死を齎した。
鬼気迫る彼の戦いぶりに促されるように、やがて他の隊員達も光線銃を構える。その中にはメイセルドの弟子であり、「蒼海将軍」の異名を持つエースでもある――星雲特警ユアルクも含まれていた。
メタリックブルーの外骨格を纏う、彼の背後から援護射撃を行う巨兵達――すなわち人型機動兵器の部隊は、手にした黒い巨大銃砲を撃ち放ち、自分達より遥かに小さい異星人達を根こそぎ焼き払っていく。その光線砲による掃射が終わった後は、焼け爛れた無残な肉塊だけが散らばっていた。
そんな阿鼻叫喚の虐殺の渦中。ユアルクは残党達の背中を撃ちながら――やがて、自分の教え子がいないことに気づき、隊長の側に駆け寄る。
「隊長! ヘイデリオンの……タロウの姿が見えません!」
「なに……!」
「確か奴らの何人かは、キャンプ裏の林に逃げ込んだはず。それを追って、1人で動いているのかも知れません。私も林に向かいます!」
「頼んだ!」
ユアルクはメイセルドから離れ、キャンプ裏にある林へと駆け出していく。地に転がる難民達の骸を踏まぬよう、幾度も跳びながら。
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