アイングラッド編
紅き剣閃編
Sword×Sword ―決闘
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物静かな姉と活発な妹、そして俺でよく遊ぶようになった。
一番年上なのは俺だったが、無口な年頃だったため振り回されてばかりだった。
やがて、俺は彼女達の秘密を知ることになる。
それはとても残酷で理不尽で、俺は初めて自分の無力を悟った。
いくら自分だけ強くあっても何も救われない。《世界》はあまりに強大だった。
そのことを知ってから4年の月日が流れた現在。
遠く離れたこの世界でその事実を思い出した。
《仮想世界》であっても《世界》は強大で残酷で理不尽で……。
(勝てない)
不意にそう思った。
《両刀》ではヒースクリフは愚か、ロイドでさえも。
ゆっくりと状態を起こし、タンスに向かう。
タンスをつついて操作メニューの《解錠》をクリック。
中に入っているものは2つの装備アイテムだけ。
それらをストレージに格納すると、扉を再び閉めた。
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75層のテーマは古代ローマ石を積み上げて造られた、神殿風の建物や水路、そして決闘の開場となる巨大コロシアム。
「……ど、どういうことだこれは……」
「さ、さあ……」
コロシアム前に並ぶ長蛇の列。明らかに本日の観客だ。
「おい、あそこで入場チケット売ってるのKobの人間じゃないか!?なんでこんなイベントになってるんだ!?」
「さ、さあ……」
「ま、まさかヒースクリフの奴これが目的だったんじゃあるまいな……」
あり得る。何を考えているか判らないあいつならやりかねない……。
「……逃げようアスナ。20層あたりの広い田舎に隠れて畑を耕そう」
「わたしはそれでもいいけど」
「……お幸せに。たが、ここで逃げると後が大変だぞ」
「くっそ……」
チケットを売っていた肥えた団員に控え室に案内され、準備をする。先ずはキリトvsヒースクリフ。
控え室に残された俺とアスナは観客席に上がる。
「あれ?」
「ん?」
アスナがふとこちらを見て声を上げた。
「レイ君、いつもと違う格好?」
「ああ……これね」
俺はいつも上に羽織っているマントを変えていた。色は同じ紅色だが、全体的に丈が長い。見た目は魔法使いのローブのようなものだ。
「こっちの方が防刃性能が高いんだ。敏捷値が低いから防御力で補うのさ」
「へぇ〜、魔法使いみたいだから魔法でも使うのかと思った」
アスナの言葉に苦笑
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