暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
アイングラッド編
紅き剣閃編
Sword×Sword ―決闘
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俺の周りの男共は朴念仁しかいないのか。



「リオが『最近のギルドが居心地悪ぃ!!』って言ってやけ酒してたから鎌かけただけなんだが……どうやら当たりだな」



「……そんなに判りやすいの?」



「本人達が気づかないのが不思議なくらい、な」



「うかつだわ……」



原因は大体わかる。



カイト→一途

アード→そっちに思考が行かない

リオ→勘がいいため、余計悩む



やれやれ、リオが不憫でしかたない。



「……カイトは……まだアスナのこと……」



「先輩……」



あいつは冷静ながらも結構熱い男だ。人間性は大いに尊敬する部分がある。だが、一途故に彼女の想いに気づけないのだろう。



「カイトはお前のこと嫌いじゃない、むしろ好きだと思う」



「…………」



ホルンは俺の言葉を黙って聞いている。



「でも、あいつは未だに心の整理がついてないだけなんだ……。だからさ、もう少しだけ待ってやれないか」



「……うん」



あの調子じゃアスナがカイトを間接的にふるのは時間の問題だろう。こちらは問題ない。



「で、アードだが……おわっ!?」



ユウリがホルンを押し退ける勢いでずいっと乗り出してくる。真剣な表情だから迫力がある。怖い。



「……正直、小細工無しでいけると思う。幸い、あいつが一番なついているのはユウリだ。自信を持って言ってみるといい」



「……わかった」



しばらくしてから、2人は満足したような笑顔で帰っていった。

人が減って広くなったリビングに戻り、ソファーベッドに寝転び久々に回想にひたる。



小学生の頃、たまたまできた訓練も稽古も何もない夏の休日。

暇をもて余した俺は当時、居候していた叔父の家の近くにある公園に来ていた。

何かやりたいことがあるわけでもない。ただ、その公園には遊ぶ子供達に考慮して全面に芝が張ってある珍しい公園だった。

その副次的結果で木陰は丁度いい具合に涼しいのだ。

今から考えると、公園に昼寝をしにくる小学生は相当おかしい。

案の定、後から来た子供連れの夫婦にぎょっとされた。

誰もいないと思った公園に先客がいて、あろうことかすやすや寝ているではないか。しかも、小学生が1人で。

公園は大して広くもないが、子供が隅で寝ているだけで邪魔になるような狭さではなかった。

同い年かそれより下の子供達は姉妹だった。あまり似ているとは思えなかったが、双子だと聞いた。

今ではあまり記憶にないが、その公園での邂逅がその姉妹との出会いだった。


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