暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
アイングラッド編
紅き剣閃編
Sword×Sword ―決闘
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「でも、キリト君が負けてもレイが勝てばいいんでしょ?だったら余裕じゃん」



「先輩、Kobの団長がここまで買っているのだとしたら、何かあると考えるべきだと思いますよ?」



「4人目のユニークスキル使いとか?」



「……そんなポンポンでたらここまで騒がんだろ。まぁ、一応何かしらの手は考えておくか」



場所は移って低層にある俺の家。多少の広さはあるが、今のように一度に3人も入ると小さく感じる。家具は備え付けのタンスとテーブル、ベッド以外には光源確保のためのランプがいくつかとソファーベッド、音楽が流れる観葉植物ぐらいだ。

クッキングスペースはあるものの、料理スキルがないため使うことは皆無だ。今日のように友人が来たときは別だが。

友人――ホルンとユウリ――は持ち込んだ器具で何やら香しい匂いのする料理を作っている。

2人が来るまですっかり忘れていたが、1週間程前に夕食の約束をしていたのだった。まさか、作りに来るとは思ってなかった。



「よーし、完成!」



普段のキャラからは想像出来ないが、2人とも料理スキルは一流だ。何度か手作り料理を振る舞ってもらったことがあるが、文句無しに旨い。ただ、ネタで激苦スープを飲まされた時は3日ほどその味が口から去ることはなかった。



「「「いただきます」」」



そんなやんちゃを時たましでかす2人だが、ただ何の理由も無くこんなとこまで料理を作りに来るはずがない。

つまり、何が言いたいかというと、この後何らかの対価を要求するはずだ。しかも面倒事の。
そうは思いつつ、料理を綺麗に平らげ、食後の飲み物を鬱々と煤りながら本題を訊いてみた。



「……で、今回は何をさせたいんだ?」



「げ、やっぱバレてる」



「はぁ……」



半分程はまだ希望を持っていたが、世の中そんなに甘くないようだ。



「えっとね……アスナに聞いたんだけどさ……」



「恋愛相談所はもう廃業だ」



そう言うと今度は2人して何で分かったの!?的な顔をする。

……ってユウリもかよ。



「そう言わずに少し聞いてくれない?」



「……あのな、自慢じゃないが俺はリアルじゃ彼女どころか同性の友達だって少ないんだぞ?他を当たった方がいい」



むぅ〜、と唸る2人に呆れ果てながら、しかたなしに一飯の恩を返すべく話を進める。



「で、どっちがどっちだ」



「へ?」 「え?」



「カイトとアード」



「「えぇっ!?」」



実に判りやすい。本人達が気づかないのが不思議で仕方ない。


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