第9話 結集する戦士達
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ら貴方でも無謀過ぎます! あの大怪獣に身一つで何が――!?」
そんな彼を、懸命に引き留めようとするルクレイテの眼に――空を駆ける円盤の群れが留まった。
「あれは……!?」
「空戦艇部隊……! まずい、あのままでは!」
円盤を駆る神官達は、森の上を滑るように飛び木々を揺らす。彼女達もまた――眼前の光景に、瞠目していた。
『こちらファイター1! 例の怪獣を発見、これより――!?』
『あ、あれは……!?』
――そう。彼女達の眼にも、痛めつけられる主神タイタノアの姿が映されたのである。醜態を晒している、巨人の姿を。
『ファイター1、ファイター2! 何があった!?』
『し、信じられません……主神タイタノアが!』
『主神タイタノアが、襲われています!』
『なんだと!?』
大怪獣との戦いに臨もうと、自らを奮い立たせていた彼女達だったが――そのような状況を見せつけられ、動揺しないはずもなく。
『わ、我らの守り神が……きゃあ!』
『ファイター2、気をつけろ! ファイター1、ファイター2の援護に向かえ!』
『りょ、了解!』
火炎放射への反応が、遅れてしまっていた。間一髪回避には成功したが……大怪獣が放つ炎の凄まじさを目の当たりにした彼女達は、操縦桿を握る手を震わせている。
「このままでは……被害が出てしまうだけですわ!」
「くっ……! なんとかタイタノアがあそこから抜け出せれば――んっ!?」
威流とルクレイテも、その威力を改めて実感し、戦慄を覚える。――すると。
大怪獣を追うように、遙か彼方から飛来した2機の戦闘機が、その目に留まった。青と黄色の機体が、空を切り威流達の視界を横切って行く。
「コスモビートル!? ――って、あの機体はまさか!」
彼らと共に戦ってきた威流が――その機影を見間違えるはずはない。機体のシルエットを目撃した瞬間、彼は瞠目と共に声を上げる。
「……竜也! 円華ッ!」
「大怪獣が食い破った穴から来ましたのね……! しかし、このままではあの方達まで!」
「くっ……!」
……だが、2機のコスモビートルが加勢してきた程度では、この戦局を大きく変えることはできない。
現にレーザー砲が通じなかったこともあり、円華も竜也も攻めあぐねているようだった。
『あ、あぁあ……! た、民が余を見ている……余の醜態をぉお……も、もうダメだおしまいだぁあぁ……!』
一方、なす術なく痛めつけられているタイタノアは、空戦艇の編隊を見上げ慟哭していた。見られてはならない本当の自分を、全て見られてしまった……と。
そんな彼のそばへ、危険を顧みず威流が駆け込んでくる。息を切らしながらも、彼は打ちひしがれる巨人に声を掛け続けていた。
「
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