第8話 招かれざる客
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「おい、コラ待て! 逃げるんじゃあないっ!」
『ぬぁあぁ! だから余にそんなモノを向けるな無礼者ぉお!』
――威流とタイタノアの邂逅から、数日。2人の「合体」は、大いに難航していた。地球人のパイロットは光線銃を手に、地響きを立てて逃げ回る巨人を追い回している。
ルクレイテの云う「秘術」。それは、人間が機械巨人の中に乗り込み、巨人の肉体を「操縦」することを指していた。
――過去の怪獣軍団との戦争の中。戦いにより脳や神経を負傷し、五体満足でありながら戦闘不能に陥った機械巨人が大勢いた。力を持ちながら、それを満足に震えない悔しさは――彼らをさらなる改造へと駆り立てる。
機械巨人族は戦いたくとも体が動かせない「負傷者」、もしくは「死者」の意を汲み、「他者が代わりに肉体を操縦して戦う」機構を作り上げると――そのパイロットに、人間と同じ体格の異星人を選び出した。
機械巨人族……つまりは人型に最も近い種族に、「死後」の自分達の体を託したのである。
体型が似ているということは、そのぶん手足の感覚を共有しやすいということ。それを利用し、彼らは当時の異星人達と連携しながら、怪獣軍団と戦っていたのである。
無論、タイタノアにもその機構はある。ルクレイテは臆病ながら「力」がある父の体を、「勇敢さ」に溢れる威流に託すことで、双方の長所を両立させて大怪獣に挑もうと考えたのだ。
「……分かってはいましたが。これは中々、手間が掛かりそうですね」
――が。それを実行するには、まず威流がタイタノアと合体しなくてはならない。なのに、タイタノアは協力するどころか、威流を恐れて逃げ回る一方であった。
機械巨人族にとって、生きながら自分の体を他人に操られる、というのはこの上ない恐怖。ただでさえ臆病なタイタノアには、地獄の責め苦なのだ。
前途多難、という地球の言葉を改めて実感し、彼女は溜息と共に目を伏せる。
(タケル様のお仲間も、この星のことには勘付いておられる様子。星の近辺に、あの大怪獣が居ることを考えると……再び戦闘が起きるのは時間の問題。それまでに、どうにか手を打たないと……)
追いかけっこを繰り返す2人を、神妙な面持ちで眺めながら。神代の巫女は、厳かに目を細めていた。
「だーかーら! あんたがオレを自分の体内に乗り込ませれば、後はオレがその体を動かして大怪獣をやっつけてやるんだから! あんたは安心して、オレに体を預けりゃいいの!」
『直接余が戦うよりそっちの方が恐ろしいわぁあ! なぜに地球人風情に余の御神体を預けねばならんのだぁあ! 怪我でもしたらどうするのだぁあ! 保険は下りるのかぁあぁ!』
一方。そんな彼女の思案など知る由もなく、威流とタイタノアは互いに叫びながら森の中を
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