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赤き巨星のタイタノア
第7話 円華の想い
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ら、威流が生存している可能性が明言される。刹那――どこか暗く滲んでいた円華の瞳に、光明が宿った。
 そんな彼女の変化を見遣り、竜也は目をスゥッと細める。彼の口元が不敵に緩んだのは、その直後だった。

「……あの星の近辺を調べても、主翼部分以外の破片は見当たらなかった。バリアや隕石にぶつかったってんなら、バラバラになった機体が見つかるはずだ」
「だけど、そんな形跡はなかった。……だから、威流はあの星にいる……!」
「かも知れねぇ、だけどな。……へっ、いずれにせよ葬儀にはまだ早そうだぜ」

 一方。円華は唇を噛み締めながら、モニターを凝視している。逸る気持ちを懸命に抑えようと、その拳が震えていた。

(だけど……まだ、不確定な要素が多過ぎる。安易にお嬢様に知らせるわけには行かないわ……)

 叫び出してしまいそうな想いを、飲み込むように。彼女は暫し天を仰いだ後、竜也と真剣な眼差しを交わし合う。

「……わかったわ。直ちに、この惑星の調査に向かいましょう」
「おいおい、教え子ほっぽって宇宙に飛び出そうってのか? それに……上の連中も威流が行方不明になったことで、かなり及び腰になってる。これ以上、守備軍のアイドルに死なれちゃたまらんってのが上の意向だろうし、許可が取れるとは思えんぞ?」
「溜まってた有給、そろそろ消化しておかないと上官が書類整理に困るのよ。任務だの調査だの訓練だの、ここのところ休みなんてまるでなかったしね。貴方はどうなの?」
「……実は俺も、結構溜まってんだよなー。有給。上のオヤジ共が英雄だなんだと俺らを担いで仕事振りまくるせいで、ロクな休みもなかったぜ」

 そして彼らは、これまで積み重ねてきた自分達の「名声」を、最大限に利用する計画を企てる。
 全ては、かけがえのない仲間を取り戻すために。

「……決まりか」
「決まりね。こっちは貴重な休みを人類のために、自ら捧げている『英雄』だもの。誰にもケチは付けさせないわ」
「こえーオンナだなぁ。……んじゃ、予定空けとけよ?」
「えぇ……それじゃあ、また」

 違いに、微かに口元を緩めて。2人は有給消化と称した、威流の救出作戦を実行するべく――動き始めた。
 竜也は引き続きバリアを監視し、円華は上官を説得すべく観測室を後にする。

「……ふぅ」

 その、直後。
 無人の廊下に出て、扉を閉め――僅か数歩、歩いたところで。

「う、ううっ……あぁあ……!」

 円華は、膝から崩れ落ちるように壁に寄り懸り――溢れんばかりの歓喜の涙を、その小麦色の頬に伝せていた。

「威流……! はぁあ、威流っ……!」

 やがて彼女は、嗚咽と共に愛しい(・・・)男の名を呟く。その啜り泣く声は、観測室まで届いていたが――彼女の想いを知る竜也は、脇目
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