第6話 赤き虚勢のタイタノア
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、父に向かって乱射し始めた。
しかし、彼女自身に銃を撃った経験はないらしい。狙いが全く定まっておらず、白い閃光があちこちに乱れ飛んでいる。だが、50メートルの巨体など外す方が難しい。案の定、タイタノアの全身に命中していた。
『ひひぃい! 痛い痛い痛い! ごめんなさい許してぇえ!』
そんな娘のお仕置きに悲鳴を上げ、タイタノアは地響きを立ててのたうちまわる。その巨体に傷ひとつないところを見るにダメージはないようだが、「撃たれていること」への恐怖心が強過ぎるようだ。
(ひ、ひでぇ)
そんな父の本性を知った上で、光線銃で滅多撃ちにしているルクレイテ。冷ややかな表情でお仕置きを続ける彼女の貌に、威流はかつてない悪寒を覚えていた。
――この事態が、愛する英雄を侮辱されたことへの怒りによるものとは、知る由もない。
彼女にとっては、「力」を持ちながら数百年に渡り、この星で震えていた父タイタノアより――非力で寿命も短い地球人でありながら、怪獣軍団に敢然と立ち向かい勝利を掴んだ威流の方が、よほど頼もしいのだ。
――その思慕の情に基づく「お仕置き」が、一通り終わった後。ルクレイテは何事もなかったかのようにスッキリとした表情を浮かべ、ドン引きしている威流の方へ向き直る。
「ル、ルクレイテさん……」
「……タケル様。貴方には、父と『合体』して頂きたいのです。貴方の『勇気』で、何卒――父の『力』を、引き出してくださいませ」
「……!?」
そして。
威流を救い、大怪獣を斃す「秘術」の真相を、改めて告げるのだった。
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