最終章:夢を追い続けて
第60話「ようやく」
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...尤も、直後に言った言葉に兄さんは思いっきりビビってたけど。
「それで、千冬姉はどこにいるんだ?」
「それなら....。」
とりあえず、千冬姉に会っておきたいので場所を聞く。
後、簪や楯無さん、本音や虚さんとも会っておかないとな。
「...ここか。」
「まさか冬姉が手合わせの相手をしてるなんてね...。」
教えられた場所は、更識家にある道場。
どうやら、更識の人間として鍛えるために、千冬姉に相手をしてもらっているらしい。
「何もできないと言っていた意味が分かったな。」
「確かに。これは割り込めないね。」
中を覗いてみれば、暗器などを巧みに使う楯無さんの攻撃を千冬姉が木刀一本で悉くいなしていた。...と言うか、普通に反撃を与えている。
簪は端っこの方で息を切らしていた。傍らには木製の薙刀があった。
本音と虚さんもいたが、二人は端で見学していた。
「...織斑先生。私、これでも暗部の人間なんですが...どうしてそこまで?」
「何、私も剣術は篠ノ之家の道場でやっていたのでな。何分、その方面の才能が開花したらしくこうなった訳だ。...でなければあいつにはついて行けん。」
手合わせが終わったらしく、木刀を受けた箇所を抑えながら楯無さんが言う。
...確かに、千冬姉はいくら世界で有名な存在になっても、“表”の人間だ。
なのに、“裏”の人間として日々鍛えている楯無さんを圧倒していた。
「...入ってこないのか?」
「いや、割り込めなさそうだったし...。」
千冬姉は俺達が見ていた事を当然のように察知していた。
...俺達には背を向ける立ち位置だったはずなんだが。
まぁ、千冬姉だしおかしくはないか。
「冬姉が稽古つけてたの?」
「いや、どちらかと言うとお互い鍛えるためだな。二人は更識家としても言わずもがな。私も以前の勘を取り戻さないと、と思ってな。」
「それでか...。千冬姉が圧倒していたけど...まぁ、一対一なら仕方ないか。」
千冬姉は身体能力に限って言えば束さんを超えている。
...桜さんはどうか知らないけど...。少なくとも楯無さんでも敵わない。
「いや、違うぞ?」
「え?」
「一対一ではない。二対一だ。」
「...えぇ....。」
つまり、あれだろうか。
簪と楯無さん二人掛かりで、途中で簪がやられてあの状況に...。
いや、最近は見てなかったけど、千冬姉も桜さんみたいに人外染みてたっけ...。
「大丈夫簪?」
「な、何とか...。強すぎる....。」
「二人掛かりなのに全部凌がれたわ...。もう、自信失くしちゃう。」
マド
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