最終章:夢を追い続けて
第60話「ようやく」
[1/10]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
=秋十side=
「シッ!」
「はぁっ!」
木刀と木刀がぶつかり合う。
相手をしているのはマドカ。しかも俺と違って短めの木刀二振りだ。
「(動きの出が早い...!やっぱり、マドカは判断してからの動きだしが早いな...!それも、複数の攻撃や敵相手は特に...!)」
俺の動きに慣れたためか、俺の攻撃は悉く防がれる。
フェイントを織り交ぜても即座に反応して受け止められた。
...千冬姉に追随する身体能力の素質持ちだからなぁ...。
「はぁああっ!!」
「くっ...!」
だが、俺も負けていない。身体能力自体は劣っていても、マドカとは何度もやり合った事のある仲だ。...その経験が、身についている...!
「ふっ!」
「っと...!」
“風”、“水”を宿して肉迫し、攻撃時のみ“火”、“土”を宿す。
とにかくマドカの判断を惑わすように立ち回る。
そして、それにマドカが慣れてきた所で...。
「しまっ...!?」
「はっ!」
“火”以外の全てを宿した攻撃で木刀を弾く。
緩急を利用した単純な作戦だが...それ充分に通じる。
「そこだ!」
―――“四重之閃”
弾いた隙に、俺は四撃同時に見える程の高速連撃を放つ。
それをマドカは...。
「っ....!」
二撃、身を捻り、もう二撃は二刀で凌いで見せた。
マドカの咄嗟の判断と並列思考による超人的な反応。
...だけど...。
「はい、チェックメイト。」
「...あはは...やっぱ無理かぁ...。」
凌いだ後が完全に無防備になっていた。
そこへすかさず追撃を放ち、木刀を弾き飛ばして終わりだ。
「...しかし、一応ついこの間まで俺の最大の切り札だったのに...。」
「複数の対象に対しての行動は、確かに得意かもね。」
以前、マドカが持っているであろう特技。
それを確かめてから既にしばらく経ったのだが...これがまた凄かった。
今のように俺の準最強の切り札を防いでしまったのだ。
...まぁ、その後無防備になってしまうからまだ実用には向かないが。
ちなみに、今の俺の最大の技もまだ実用的ではない。隙だらけになるし。
「飽きないね二人も...。」
「そう言うシャルだって射撃訓練とかやっているじゃないか。」
「まぁ...あった方が良いスキルだからね。」
シャルが俺達にタオルとスポーツドリンクを渡してくれる。
そして、俺が言った通り、シャルも射撃訓練を欠かしていない。
「宇宙開発が目的のISに武装が付いているのは、宇宙での脅威...例え
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ