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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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Invitation;挑戦
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「……………せッッ!!」
キン!と。
思いっきり振りかぶった右腕ではなく、左手の刀身から鋭い金属音が響く。
己の《剣》という属性から、『斬り刻む』という属性だけを抽出したノーモーションの心意。正当な心意技ではないので威力は劣るが、相撲でいう猫騙しのように不意を突くにはぴったりだ。
だが。
キンッッ!!
「なっ」
左の剣から放たれた、陽炎のような不可視の刃。しかしそれは自然体で佇む少年のコートに触れる前に、鋭い金属音を響かせて消えてしまった。
否、消えたのではない。
両断された。
その証拠に、少年のはるか後方。グラウンドの隅に建つ尖塔――――防球フェンスが音を立てて崩落した。ド真ん中から綺麗に断絶された片割れが本来辿るべき軌道を逸れ、塔の側面に致命的な斬撃痕を刻んだのだろう。
崩落する瓦礫が足元を不気味に蠕動させる。それは普通ならば二本足歩行のアバターに少なからずの影響を与えたはずだ。しかし四肢が剣という関係上、常に低空で浮いている状態の黒雪姫には効果はない。
「おおおおオオオォォッッ!!」
気勢とともに、ギリギリまで溜めていた右腕の《槍》を突き出した。
響き渡るのは、ジェットエンジンにも似た低周波音。その音を聞き、微かに少年の表情が動いたような気がするが、その心の底は見通せない。
ブラック・ロータスの心意技。
第二象限。
射程距離拡張。
「《
奪命撃
(
ヴォーパルストライク
)
》!!」
相手の着るフードコートの血色より、スカーレット・レインの半透過アーマーよりなお赤い深紅の閃光が右手の剣から迸る。
空気を引き裂く音さえ呑み込まれた。
極限まで研ぎ澄まされた精神が、心意の刃を最大射程の百メートル以上まで持っていく。本来ならば近接特化である黒雪姫は一方的に
遠距離
(
あか
)
系に撃たれるような距離。専門職の特色を食い潰すようなルール違反を、心意はすべて踏み越える。
紅の槍が、直近から爆進した。
だがそれは直後、四散する。無造作に突き出された掌が、発動寸前の切っ先を優しく包み込んだのだ。それによってジェンガのように積み上げられた集中力が吹き散らされる。
「っ!」
眼前の敵にとって、この程度は反撃ですらないのだろう。
――――だが、そこまで想定内だ!
「放てッ!レイン!!」
「っしゃぁ!」
黒雪姫が上げた、鋭い声。そこを起点として後方に控える要塞のミサイルポッドが開き、そこから轟音とともに次々と噴射炎を後部に貼り付けた円筒形の物体――――ミサイルが飛び出した。
その数、優に四十以上。
さすがは遠距離火力最強の赤。先の《災禍の鎧》討伐戦の時も垣間見たが、素晴らしい火力だ。純粋なレッドであった先
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