四天王アマーン
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なることを誓います、もし言うことを聞かなければオチンチンをちょん切られても文句は言いません……な、なんだこれ?」
「早くそこの朱肉に前足を乗せて」
上から目線で命令する。
ハムスターは契約書の上に小便をした。
「あっ、なにするのよ!」
「タタタッ」とそいつは走って逃げた。
「ズルズルチュルチュル」
美樹がそばを食べている、天ぷらそばだ。
下町の高架下の屋台だ。
「やっぱり美味しいわ」
美樹がニッコリと店主に話す。
「そば一筋40年ですからね、早いの上手いの安いのがモットウですよ」
青年もニッコリと返す。
この屋台の店主は“あの山“のそば屋の店主だった男だ。
この男もハムスターのように使い魔なのだろうか?人間でないことは確かなはずだ、どう見ても二十前後だ。
色々と聞きたい事がある、まずは名前だ。
「私は織田美樹、18才よ」
しばらく待つが男はなにも言わない。
「名前教えてほしいな」
「名前ですか?名前ねぇ……」
「鬼形卓(きがた すぐる)です」
「……そう……鬼形さんね……」
(考えてたよね?怪しいなぁ)
「鬼形さん歳を取らないのはなぜ?教えてくれますか」
「あの空間では歳を取らないんですよ」
「でも……あそこに迷い込んだ……いえ、引きずり込まれた家族はガッツリ取ってたわ」
「そうなんですか?」
「あなた……使い魔よね?」
「パリポリ」
平日の昼間、美樹は煎餅を食べながらテレビを見ていた、工事現場のアルバイトをやめてからニートをしている、母に悪いという気持ちもあるが毎月家にはお金を入れている、貯金があるのだ。
サングラスをかけた60位のお笑いタレントが司会をする番組を見ていた。
「今日のゲストはパク・シネさんです!」
客席の大歓声の中パク・シネが現れる。
「あっ! 四天王!!」
美樹は煎餅の破片を口から飛ばして叫ぶ、山頂のそば屋で会ったあの女だ。
美樹が、いや、卑弥呼が魔王を辞める少し前に四天王を作るという構想があった、しかし卑弥呼が反対したのだ、必要ないと、しかし顔の変わる男を倒した跡にマンションの屋上で会った妖魔ザンギの話、そしてこの前の山頂での出来事などから四天王が作られたのを知った。
美樹は魔力を感じる事が出来る、妖魔ザンギは人間の姿を取っていたが魔力で妖魔ザンギだと分かった、しかしあの山では魔力を感じる事が出来なかったのだ、だから妖魔ザンギ以外の残り3人の四天王が誰なのかは分からなかった、しかし今はテレビの生放送から魔力を感じる。
「妖魔アマーン、いや、四天王アマーン!」
美樹が叫んだ直後、テレビ画面のパク・シネが美樹に向かってウインクをした。
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