第三章
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そのうえで部員達に自分達の脚本を見せたが。
部員達は二人のそれぞれの脚本を読んでからだ、二人に驚いた顔で言った。
「あの、これ」
「何か逆じゃない」
「茉祐ちゃんが推理で」
「愛理ちゃんが恋愛って」
「全然逆じゃない」
「これどういうこと?」
「いや、実はね」
まずは茉祐が皆に話した。
「私達脚本のイメージ定着してるかなって思って」
「皆今言ったけれど」
愛理も言う。
「私は推理よね」
「それで私が恋愛で」
茉祐もまた言ってきた。
「決まってるわよね」
「そんな感じよね」
「まあね」
「茉祐ちゃん恋愛もの好きだし」
「シェークスピアでも何でもね」
「恋愛ものばかりで」
「私達もそう思っていたわ」
実際にというのだ。
「それで愛理ちゃんになると」
「ホームズとかポワロとかね」
「フレンチ警部もそうだけれど」
「推理よ」
「推理の愛理ちゃんってイメージだったわ」
だから皆も茉祐が脚本を担当すると恋愛もので愛理が担当すると推理だと思っていたのだ。
だが今回はだ、どうかというと。
「そっくり逆にしてきたから」
「正直面食らったわ」
「茉祐ちゃんはソーンダイク博士ね」
「それで愛理ちゃんは助六ね」
「そっちでやってみたの」
愛理が答えた。
「ほら、助六って主人公とヒロイン映えてるでしょ」
「ええ、どっちもね」
「キャラクターも衣装も派手でね」
「脇役もいいし」
「恋愛も映えてるわね」
「はじめてだったけれど」
恋愛ものを書くのは、というのだ。
「これならいいって思ってね」
「それでなのね」
「助六でいったのね」
「そうだったの」
「そうなの」
愛理は皆ににこりと笑って話した。
「私はね」
「それで私はね」
今度は茉祐が皆に話した。
「私はソーンダイク博士だけれど」
「科学を存分に使った推理ね」
「ホームズと同じ時代でもね」
「推理の仕方がまた違ってて」
「面白いのよね」
「実はホームズも考えたけれど」
オーソドックスといえばオーソドックスにだ。
「もう一人のキャラ立ちしてる探偵さんはって思って」
「それでか」
「そっちの探偵さんにしたの」
「それで脚本書いてみたのね」
「そうだったの、それでね」
茉祐はここまでは笑顔で話していたが表情を真剣なものにさせた、それは愛理も同じで皆にあらためて尋ねた。
「どうかな、出来は」
「いい?」
「いいと思うよ」
まずは部長、端正な顔立ちとすらりとした長身の美男子が答えた。
「正直最初は逆でびっくりしたけれどね」
「いいんじゃない?普段の二人と違う感じで」
「斬新か感じがしてて」
「普段の二人を抑えるのに徹底してて」
茉祐は恋愛、愛理は推理の要素をそれぞ
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