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渦巻く滄海 紅き空 【下】
五 鈴鳴る向こう
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き消える鳥をよそに、洞窟の出入り口付近で待っていた男は開口一番「遅かったな…」と、デイダラとサソリをやや責めた。

「思いの外、強くてな…人柱力ってのは」

デイダラがそう弁解すると同時に、背後で再びズズズ…と音が轟いた。奇岩が外からの光を遮り、深い闇が広がる。
閉ざされた外界。


「もうお待ちかねだ…」

陽炎のように揺らめいた姿で、ペインは背後を振り仰いだ。
洞窟の奥。更に深い闇の向こうで佇む彼の姿を認めて、デイダラとサソリは笠を恭しく脱いだ。



「頼んだぞ…――ナルト」




陽炎の如く揺らめくペインの言葉に、闇から静かな声が応えた。
デイダラとサソリが被っていた笠の鈴よりも、いっそ涼やかな声音だった。




「――ああ」


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