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勇者にならない冒険者の物語 - ドラゴンクエスト10より -
冒険者
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晶球に両の手を添えて下さい。適性に応じていくつかの職業が示されるでしょう」
「あー、はい。コレですね?」
バルジェンは素直に神官に冒険の書を手渡すと、早速両手でカウンターに備え付けられた水晶球に触れて見た。
七色に輝き出す水晶球。
「もういいですよ」
神官に促されて手を離すと、水晶球に見慣れない文字が浮かび上がっていた。
「ほほう、貴方には3つの適性があるようです。戦士か、武闘家か、旅芸人か。どれを選んでも差し支えはありませんが、強いていうなら得意な武器を基準に考えればよろしかろう。不得意な武器を主兵装にしても戦えなくては本末転倒ですからな。まずは、奥の部屋で武具を試して見るのがよろしかろう」
ダーマの神官は、カウンターの奥に来るよう促す。
バルジェンはそれに従い、カウンターの奥の通路を進み、二十畳はあろうかという広さの道場に通された。
道場の中央には、四本脚・四つ手の身の丈2メートル超える鋼の人形が鎮座している。
壁には、様々な武器を模した木製の訓練用具が飾られていた。
神官はその中から、片手剣、両手剣、斧、爪、両手棍を取り上げてバルジェンの前に並べて見せる。
「では、バルジェン君。まずはこの中から武器を選んで、あの中央にいるモンスターを攻撃して見て下さい」
え、あれモンスターなの!?
仰天した表情で固まるバルジェンに、ダーマの神官は慌てて訂正を入れた。
「ああ、勘違いしないで下さい。あれは腕利きの冒険者が討伐したキラーマシーンをドワーフの技術者が改修して造った練習用モンスター、タメシマシーンです。武器に対して攻撃反応はしますが、人畜無害ですよ」
にわかには信じられなかったが、とりあえず取り回しの簡単そうな片手剣を持つと腰だめに構えて恐る恐る近付く。
振りかぶった途端、タメシマシーンが恐ろしく速い反応速度で鋼の腕を振り回し、バルジェンの片手剣を殴りつけた。
あまりの衝撃に取り落としてしまう。
「ふむ、片手剣に適性は無いようですな。次はこちらはいかがでしょう」
両手剣を渡されて再びタメシマシーンの前へ。
下段から後ろに大きく振り回してぶった斬りをしようとしたが、再び鋼の腕に殴り飛ばされて取り落としてしまう。
「いやいや、適性云々って無理ですよ」
「適性があれば、無駄な力は入らないものです。タメシマシーンくんはそれ程力は無いので武器を取り落とすような事にはなりません」
本当だろうか?
半信半疑で両手棍を拾い上げて、さらに対峙する。
無意識ではあるが、バルジェンは両手棍をリズム良く回転させながら近付き、遠心力を利用して大振りに、しかし素早く振りかぶる。
やはりタメシマシーンはそれを叩き落とさんと反応して来たが、今
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