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勇者にならない冒険者の物語 - ドラゴンクエスト10より -
冒険者
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、大切に持っていて下さいね。記録された内容を精査して、冒険者レベルを組合で付けますから、紛失した場合はまたレベル1からやり直しになってしまうので気をつけて下さい。毎週、レベルに応じて国から補助金が支払われますが、こちらも冒険の書が基準になりますので絶対に無くさないで下さいね」
淡々と説明する女性に相槌を打ちながら、いまいち理解していないようなバルジェンに、チョウキが背後から抱きついて言った。
「要するに業務日報だな。冒険者は武官や文官の下に着く公務官という位置づけだ。なるのは簡単だが、レベルを上げるのは大変だぞ」
「業務日報・・・。納得。・・・所で暑いよ、なぜ抱きついてるのさ?」
「お前って本当に失礼なやつだな!」
「チョウキって本当に天然さんだにゃ。彼はあたしらの事覚えてにゃいんだからそんなにベタベタしたら逆に引かれるよ?」
「な、あ! どういう意味だ!?」
バルジェンから離れて右拳を握りしめるチョウキに、ジアーデが肩をすくめて両掌を天に向けて首を左右に振った。
「とんだ無自覚天然淫乱女だにゃあ、チョウキは」
「い、淫乱ってどういう意味だ!?」
「彼氏でもにゃい男にベタベタするのはいい加減控えにゃよ。バルジェン困ってるにゃ」
ジアーデの言葉にチョウキが振り向くと、バルジェンは困った顔で明後日の方向を見て首筋を左手で撫でていた。
「め、迷惑、か?」
「いやさチョウキみたいな美女に抱きつかれて喜ばない男はいないが、大概照れるでしょうよ・・・」
「迷惑ではないということだな!」
「いや、ごめん、訂正、迷惑です・・・」
ショックを受けた様子で固まるチョウキ。
それを他所に、カウンターの女性が背後のカウンターをバルジェンに指し示した。
「職業登録が次に必要になりますので、あちらのダーマ神官様に適性検査を受けて下さい」
「あー、はい」
バルジェンが受け答えしていると、入口の方から女性二人が酒場に入るなりチョウキたちに声をかけて来た。
「おおい、ジアーデ! チョウキ! 討伐手伝ってよ!」
はにゃ? という表情でジアーデが二人組の女性を振り返ると、紫のローブに身を包んで両手杖を持つエルフ族の女性と、身の丈をはるかに超えた大斧を背負うドワーフ族の女性が手招きしていた。
ちょっとごめんにゃ、と言い残してジアーデとチョウキが二人に近ずいて何やら話し始める。
手持ち無沙汰でしばらく眺めていたが、話が長そうだと判断したバルジェンは、一人でダーマ神官の座るカウンターに向かった。
ダーマ神官は、彼を見るとゆっくりと立ち上がって両の手を広げて見せる。
「よくぞ来られました。新たなる冒険者よ。まずは冒険の書をこちらに。そして、この水
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