Fate/Grand Order編
悲劇で終わりの物語ではない
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肩書きだけを見れば完璧超人に見える彼女だが長き悠久の時を生きているウィスは彼女の本質を見抜いていた。魔術師としてのプライドを有し、高飛車でヒステリックな面が伺えるが、彼女の本質は人が誰しも有している承認欲求が人一倍強いどこにでもいそうな少女であることを。無償の愛に飢え、寂しがり屋、そして極度のビビりでもある。
加えてその承認欲求の強さから依存癖がとても強かった。彼女からはスカサハと似通った気質が伺える。彼女の生い立ちを考えれば不思議なことではないのだが。
父親であるマリスビリー・アニムスフィアには幼いころに旅立たれ、マリーは急遽家督を継ぐことになった。また父親の急な死と裏で行われていた非人道的な実験、加えて自身のレイシフト適正とマスター適正の無さというスキャンダルが彼女を精神的にも肉体的にも追い詰めていた。とても1人の少女に堪えられる重圧ではない。
ウィスがカルデアに来た当初の彼女は今にも自殺しそうな雰囲気を放っていた。カルデアの所長としての責務と重圧、そしてレイシフト適正とマスター適正を持っていないことからの周囲の魔術師たちから受ける軽蔑の視線は次第に彼女の心を蝕んでいたのだ。
そこで皆の頼れるウィスさんの出番である。マリーの事情を知るロマニから彼女のことを詳しく聞き出し、時間をかけて彼女の心身の療養を行った。次第に彼女はウィスに心を開き、愚痴や年頃の女性らしい反応を示してくれるようになった。順風満帆である。
因みにロマニの正体が元ソロモン王であることは知っている。姿は変わってしまい、感じる魔力の感覚はだいぶ変わってしまっていたが彼の手に嵌まる指輪の魔力は間違いようがなかった。自分の正体も隠すことなく伝え、互いの正体を周囲に広めないことを条件にマリーを取り巻く問題を教えてもらったのだ。
現在の自分は警備員としてここカルデアの警備員として勤務している。正に世界最強の警備員である。今の自分は気を極限まで下げ、死徒を狩るのが得意な凡庸な魔術師として周囲に認知させている。
しかしここカルデアは英霊が出入りする場所であるため、いつ自分のことを知っている存在が現れるか分からない。ゆえに今の自分は魔術で髪の色を金色に染め、長髪の髪をポニーテールに結わえている。
自分がここカルデアに勤務している理由は現所長のマリーに直々にスカウトされたからである。ウィスはこの時代ではフリーの使徒狩りと外道な魔術師狩りとして活動していた。その実力を買われスカウトを受け、カルデアの警備員として雇われることになったのだ。
カルデアに入る時に様々な検査が行われたが無事通過。現代を生きるうえで必要な戸籍やその他諸々のことは問題なく済ませている。今の自分の名前は時風晃人と名乗っている。
協会に属してしないフリ
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