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悲劇で終わりの物語ではない - 凍結 -
Fate/Grand Order編
悲劇で終わりの物語ではない
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(ウィス、外に行こうぜ!)」

 リスのような小動物がウィスの足元にて可愛らしい鳴き声を上げる。モフモフの毛皮に、人目を惹くクリっとした可愛らしい目玉。加えてお尻から生える長い尻尾。マーリンの使い魔であるキャスパリーグである。

「ああ、そうだな。じゃあ行くか。」
「フォウ、フォフォーウ!(さすが、ウィス!)」

 驚くことに自分はキャスパリーグの言語を理解するができる。思い出してみればウィスも破壊神ビルスの命で恐竜の肉を異星に取りに行ったときにそこの原住民と話していた。恐らくその恩恵が自分に適用されているのではないだろうか。

 キャスパリーグがウィスの右肩に飛び移る。その後ぶらーんと洗濯物のように両手を使いウィスの背中からぶら下がるキャスパリーグ。

 勿論、ウィスはキャスパリーグの正体を知っている。キャスパリーグは『比較』の理を持つ第四の獣・ビーストWであり、場合によっては人類悪に至る可能性を持っていること獣であることを。ゆえにキャスパリーグを人間社会に放り込んだ場合悲惨な事になるのは目に見えている。

 だがウィスの傍にいる限りは問題ない。ウィスと共に行動する限りキャスパリーグは自身の忌まわしき性に囚われることはないのだ。

 ウィスとキャスパリーグの1人と1匹は意気揚々と全て遠き理想郷(アヴァロン)より外の世界を見るべく、飛翔していった。



 ビーストに至る可能性を秘めた獣と語らい─







 時にはある一人の少女と─

「ウィス!見てください!最寄りの川でこんなに大きな魚を私1人で捕まえました!!」

 びしょ濡れの少女が両手一杯に自身の伸長に迫る大きさの魚を抱え、ウィスに自慢している。

 彼女は日光を反射する金髪は美しく輝き、まだ未成熟ながらも全体的にスレンダーな体型をしている。顔は文句なしの美形であり、将来は誰もが羨む美少女になることは誰の目に見ても明らかだった。

「おお凄いな、ジャンヌ。」

 素直にそんなジャンヌを褒めるウィス。

「えっへん!そうでしょう、そうでしょう!もっと私を褒めてください!!」

 ジャンヌは得意気な表情で右手を自身の胸に当て胸を張る。ウィスに褒められたことが素直に嬉しいのか体全体で喜びを表現している。

「確かに凄いが勉強はどうしたんだ、ジャンヌ?俺の記憶では今日の午後から勉強だったはずだが?」

 自分は今日の午後からジャンヌと勉強をする約束をしていたのだ。だが約束の時間になってもジャンヌが現れなかったため彼女を外に探しにきたのである。

 ウィスは微笑みながらジャンヌを見つめる。心なしかウィスの目は笑っていなかった。

「え〜と、それは……」

 途端先程までの元気が嘘のように静かになり狼狽
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