第一章
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助っ人として
大日美奈代はこの日はアルバイトのカラオケボックスでの仕事はない予定だった、だが大学で昼食を摂った直後にだ。
店の店長から携帯で連絡が入ってだ、出るとすぐにこう言われた。
「実はさっき高校生のバイトの娘二人から連絡が入ってね」
「急にですか?」
「うん、二人共急に用事が出来てね」
それでというのだ。
「今日出られなくなったんだよ」
「今日は確か」
「そう、団体のお客さんの予約が入ってるのに」
「二人抜けられると」
「困るから。だからね」
店長は声だけでも申し訳ないといった思いがあるのがわかった、表情もその声から容易にわかる程だった。
「今日美奈代ちゃん大丈夫?」
「はい、今日は特にです」
オフだがとだ、美奈代は交際相手でもある店長に答えた。
「予定ないですから」
「じゃあ申し訳ないけれどね」
「大学が終わったらですね」
「お店に来てくれるかな」
「わかりました」
美奈代は店長に快諾で答えた。
「そうさせてもらいます」
「それじゃあ今日お願いね」
「あの娘達の分をですね」
「頑張ってもらいたいからね」
「そうさせてもらいますね」
「もう一人来てもらうし」
今日のシフトに入っていない子からというのだ。
「とにかくね」
「今日はですね」
「宜しく頼むよ」
「はい」
美奈代は店長にこう返してだ、オフから気持ちを切り替えて仕事に励もうと思った。こうした時の切り替えが上手な娘なのだ。
それで大学のこの日の講義が全て終わるとすぐにだった、店に入ったがその時はまだだった。店長も穏やかだった。
「じゃあ今日はね」
「宜しくお願いします」
「岡本さんにも来てもらうから」
「あの娘にですか」
「うん、あの娘にもね」
美奈代と別の大学に通っている娘だ、年齢も学年も一つ下だ。
「来てもらうから二人で今日はね」
「団体さんもですね」
「頼むよ、四十人来てね」
「四十人ですか」
「一番広いお部屋貸し切りだからね」
「注文も多いですね」
「絶対にね」
このことは容易に想像出来ることだった。
「だからね」
「私と岡本ちゃんで、ですね」
美奈代は彼女のことをこう呼んでいるのだ。
「今日はですね」
「団体さんも頼むよ」
「わかりました」
「さて、何を頼んで来るから」
店長は団体客のことを考えていた。
「一体ね」
「もうあれやこれやでしょうね」
美奈代は笑って店長に答えた、これまでのこの店での仕事の経験から話した。
「それこそ」
「そう、だからね」
「二人出られなくなって」
「どうしようかって思ってね」
「私と岡本ちゃんにヘルプ頼んだんですね」
「そうだよ、代わりの休日入れるから」
今日の分は
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