暁 〜小説投稿サイト〜
Blue Sea 『空と海の境界線』
Operation 02-発令、ファーバンティ解放作戦-
取り戻す為に
Mission20「空を見上げて、そして守れ」
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たが、少ししてすぐに答えた。

「私は、照月さんは私たちと違った何かを持ってるのですよ。それは、照月さんにしか分からない事ですわ」
 そう答えると熊野は艦橋を後にした。

 熊野の艦橋にひとり残るセレンは、沖合に照月を強制移転しようと念じ、目を瞑っていた。





0540 ノースポイント ニューフィールド島第2鎮守府 上空

「なあ、瑞鶴!」
 シャーリーが唐突に話しかける。
「何ですか?いきなり」
「空を、見上げてみろ」

 シャーリーに促されるまま瑞鶴は機体を上昇させながら空を見上げる。
 何か温かくまぶしい午前5時の夜明けを眺めながらも、そのまま見上げ続ける。

「瑞鶴、この空が無限に続くことが、どれだけ素晴らしいかわかるか?」
 唐突なシャーリーの質問に困る瑞鶴。困ったまま瑞鶴は必死に考えて答える。

「え?……わからない、です」

「私の世界じゃ、故郷もその空ですら奪われた人たちがたくさんいる。そして、ウィッチですらそれを経験する人は数多いさ」
 シャーリーが瑞鶴の隣に並んで飛行する。

 そして、シャーリーは再び口を開いた。
「何が正しいか分からず戦う人も多い。だが瑞鶴は、それがわかる。そして、守りたいという気持ちがある。だから、いつでも守り続けられる」

 その言葉に瑞鶴は何がなんなのか分からなかった。
「確かにこの世界も私たちのいた世界と似ている。だけど、切り拓く未来を見据えて戦えるのだから、瑞鶴は強い」

 瑞鶴は、確かにその言葉を理解した。今までは当たり前だったものが、ここまで大切にも思えることにも。

「さ、戻ろうか」
 シャーリーは瑞鶴の手を引いてゆっくりと基地に戻る進路に変えた。



 その時、瑞鶴にはある夢が映っていた。







「誰……ですか……?」
 私はどこか分からない空間の中にいる、一人の男に話しかける。

「俺は………ニール・ディランディ。ま、ちょっと説明した程度じゃわからないかもしれないが」

 その男、ニール・ディランディは瑞鶴に向けて、軽い説明をした。

「俺は、デュナメスに触った時のお前の意思を持って、お前に俺の思いを託した。姿見はガンダムでなくとも、お前の意思ははっきりと、な」

 瑞鶴はもっと聞こうとしたが、その時一瞬でその空間が崩壊した。
 まるで、この話はまた今度、というように。












「――――――い、おーい!瑞鶴!」
 シャーリーの通信で瑞鶴は夢から醒める。気づいたら上昇し続けてたようだ。すぐに機体を立て直して降下に入る。

(何なのよ、この機体は……)

 瑞鶴は夢の中に出てきた人のことで頭がいっぱいだった。

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