第二章
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「確かに」
「はっきり言って読みたくないわ」
「調べてもなの」
「だって私暗い作品好きじゃないから」
「そういえばあんたそうよね」
「そんな人を殺しただの何だのってね」
そうした作品はというのだ。
「それで罪悪感に悩んだりとか親殺しだの何だのってね」
「推理みたいっていうけれどね」
「推理でも暗い作品はね」
「私読んでるわよ、カラマーゾフの兄弟」
その暗い作風が嫌いな同級生に怒った顔で言う美帆だった。
「そこまでしてるけれど」
「えっ、読んでるの」
「ドフトエフスキーのこと調べるうちにね」
「そこまでする?」
「あんたがロシアの芸術も調べないとって言ったからよ」
やはり怒って言う美帆だった。
「それでなんだけれど」
「私そこまでしろとか言ってないわよ」
「あんたに馬鹿にされて火が点いたのよ」
「いや、そんなこと言われても」
同級生は美帆に困った顔で返した。
「ドフトエフスキーの暗い作品読めとか」
「言ってないの」
「歴史というかそこまでいくと」
それこそと言う同級生だった。
「文学じゃない」
「ロシア文学ね」
「私達は歴史だから」
「じゃあ私の苦労は何なのよ」
カラマーゾフの兄弟を読んでいるそれはというのだ。
「長いし暗いし人間関係ドロドロだし」
「そんな作品なの」
「読んでいて沈むわよ」
「うわ、私は絶対に読めないわ」
「あんたが読めないその作品読んでるんだけれど」
「私そんなことしろとか言ってないし」
あくまでこう返す同級生だった。
「だからそれ文学だから」
「じゃあチャイコフスキーさんは何なのよ」
「代表作言っただけでしょ」
「聴けとは言ってないの」
「そうよ」
それを知っているかどうかを聞いただけだというのだ。
「そこまではね」
「じゃああんた聴いてないの」
「そうよ、ましてやそんな暗い作品とか」
「読まないのね」
「絶対にね」
「じゃあ私も?」
また言う美帆だった。
「もう読んでもなの」
「読んで自分にとっていいと思うなら読んだら?」
「いや、読めば読む程暗くなるから」
こう返す美帆だった。
「しかもやたら長いし」
「じゃあ読むの止める?」
「止めるわよ、まだ一巻の序盤だけれど」
長いその作品のだ。
「読む時間歴史の本を読むのにあてるわ」
「私もそうしてるし」
「全く、今度はスターリンのこと調べるわよ」
「その人は大概よね」
「粛清とか戦争とか滅茶苦茶よ」
スターリンはと返す美帆だった。
「何かイワン雷帝みたいよ」
「滅茶苦茶過ぎて」
「そうよ、その人のこと調べるから」
「じゃあ私は今度はトルストイさん調べるわ」
「それで私に代表作とか聞いてくるのね」
「そうよ」
美帆にに
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