第三十九話
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
きたが、今のこの状況ではありがたい。
私はオレンジジュースをコップの半分まで飲み干す。
…………うん、だいぶ頭が冷えた気がした。
「それで、どの辺がですか?どの辺が好きなんですか?」
青葉さんは机に肘を置くと、体を若干前のめりにさせて聞いてきた。
私は半分観念したように話し始める。
「えっと…………その…………わかりません。」
私は一言、曖昧な感じでそう言った。
「……………………はい?」
驚きながら首を傾げる青葉さん。私はお構い無く話していく。
「えっと、なんて言うか…………初めて千尋さんを見たのは、千尋さんが着任した日で…………その日の午後は夕立ちゃんと時雨ちゃんと一緒に鎮守府を案内したけど、珍しいなぁ位にしか思ってなくて。」
「それで、暫くは通りかかったら挨拶する程度だったんです。その間は、こんな所なのによく溶け込んでるなぁって思ってました。」
「でも、あの日、いつもみたいに図書館で勉強してたら、千尋さんが来たんですよ。それこそ、青葉さんになにか頼まれて来たみたいですけど。」
「それで、ビックリしましたよ。私がやってたページをあっさり解いたんですもん。」
「それに、木曾さんについて調べるとか言ってましたし、私も気になったから一緒に調べるとかいったんですよ。今となっては笑えますね。積極的すぎですよ。」
「そしたら、なんか千尋さんが変わりに勉強教えてくれるって言って……………………そのあと、摩耶さんと戦って、ボロボロなのに最後の最後では折れなくて。」
「それから毎日、毎日ですよ?毎日同じ時間に図書館にやって来て、勉強教えてもらって、今ではかなりできるようになって。優しいと言うか、お人好しと言うか…………。」
「それでいて、絶対に負けないんですよ。何にとは言いにくいですけど、いろんなものに絶対に向かっていくんですよ。」
「それに、責任感が強いと言うか…………私の件についてもそうですし、週に二、三回は必ず食堂で手伝いますし。他人のために、あそこまで動けませんよ。」
「それで、努力するんです。朝は木曾さんと自主トレして、夜は遅くまで。勉強も、私に教えながら自分もドンドン勉強してますし。」
「なんと言うか……………………どこがす、好きとか、い、言えないと言うか……………………いつも間にか、好きになってたと言うか…………。」
私はそこまで言って、恥ずかしさのあまりまたまた机に突っ伏す。
ヤバい、色々とリミッターが外れてる。思ってること全部吐き出した気がする。
「…………
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ