アージェント 〜時の凍りし世界〜
第三章 《氷獄に彷徨う咎人》
舞うは雪、流れるは雲@
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込む様に、他の三人も会話に混じっていった。
「はやてちゃん、本当にここにいるのかしら?少し安直過ぎる気もするけど……」
「うーん……確かにシャマルの言うとおり、ちょっと素直過ぎると思う。けど、他に手掛かりが無いのも事実や。」
今、彼女らがいるのは白郷の外れにある『旧白峰邸』、まだ彼らが普通に暮らしていた頃の家だ。
「でも、村の人が嘘ついてる風にも見えんかったしなぁ。」
この場所を突き止めるのは意外な程に簡単だった。白郷の人々に彼女達は話を聞いて回ったのだが、最近変わった事が無かったか聞くと口を揃えて「村の外れに住んでた白峰さんの長男が帰って来た。」と答えたのだ。
元々白郷の人々は白峰家に起こった事件を知らず、彼らがゼスタに行った切り帰って来ないのも、氷雪の病気のせいだろうと思っていた。そして、家の保守点検だけを続けて帰りを待ち続けていたのだ。
村人達の話によると、暁人は半年程前に突然帰ってきて、両親が死んだこと、帰って来たのは自分の妹と使い魔の三人だけである事を言葉少なに語ったという。両親の詳しい死因については無理に聞かなかった。それから、元の家に戻り、今でも週に一度は買い出しで村に顔を出すとの事だった。
元々、この白郷はトンでもない僻地だ。地球でいえば、アマゾンのど真ん中と等しい程である。当然、今この世界で起きている一連の事件についても殆ど知らない。故に、暁人達も隠れる必要が無い。
正体を隠さなくていいというのは、暁人はともかく氷雪にとっては非常に大きかったのだ。
だが、そんな事情を彼女達が知る由も無い。
「でもよー、はやて。罠ってこともあんじゃねぇのか?」
「うーん……考えへんでも無かったけど……ちょっとあからさま過ぎやないか?」
「確かに……結局、調べてみる他無いでしょう。」
「せやな。リィン!」
はやてはヴォルケンリッターの五番目の騎士であり、自身の融合騎である少女を呼ぶ。
「はいです!」
「そろそろ始めるで。準備ええか?」
「バッチリです!」
はやての問いに満面の笑顔で答えるリィンフォース・ツヴァイ。
「じゃあ作戦通りに。頼むで、シグナム、ヴィータ。」
「はっ、主はやて。」
「おっしゃぁ!任せとけ!」
「ザフィーラとシャマルは追跡や。逃げるとしたらすぐやで。」
「……承知。」
「分かったわ。」
「そして、リィンは私と一緒にここから援護や。ええな?」
「はい!頑張るです!」
作戦はシンプル、正面から行く。まずシグナムとヴィータが管理局員として正規に聞き込みとして屋敷に入る。その後は相手の出方次第で応戦、追跡、調査のどれにでも移れる布陣だ。
夜天の主と、その守護騎
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