アージェント 〜時の凍りし世界〜
第三章 《氷獄に彷徨う咎人》
舞うは雪、流れるは雲@
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「そう結論を急ぐな。はやてには彼女達がいるだろう。そろそろ戻ってくる筈だが……」
クロノがそう呟くのと、艦長室の扉が開くのは殆んど同時だった。
「失礼する。」
「………ヴォルケンリッター、夜天の書の守護騎士達、か……」
『ごめんなさい。もう少し隠し通せれば良かったんだねど……』
「いや、ここまで見つからなかっただけでも十分だ。それよりも……」
『……それだけ暁人は警戒されてるのよ。』
画面越しに話す暁人とエヴァ。内容は暁人のいる隠れ家がほぼ特定された事、そして、追っ手として八神はやてとヴォルケンリッターが派遣されたという事だ。
「……俺も噂程度にしか知らないが、どんな連中だ?」
『メンバーは四人。全員が古代ベルカ式の魔導騎士で、強力なフロントアタッカーが二人、ガードが一人、バックに一人。それに八神はやての広域魔法が加わると手がつけられないわね。さっさと逃げる事をオススメするわ。』
「……全員分の詳細なデータ、頼めるか?」
『………話聞いてた?いくら暁人でも一人じゃ勝ち目無いわよ。』
「……それを見つけてこそ、だ。逃げながらでも戦力を削っておきたい。」
『……分かったわ。ま、言われると思って用意はしてあったんだけどね。』
「助かるよ。」
ハボクックがデータを受信し、暁人はざっとそれに目を通す。
「……成る程、厄介だ。……分断すれば、あるいは……。」
『……そろそろ失礼するわ。』
「ん?ああ、悪いな。」
『……あ!それと……』
この時、エヴァはドウェルについて話そうとしたのだが、暁人の集中している様子に、先送りを決めた。
「………どうした?」
『……何でもないわ。落ち着いたら連絡頂戴。』
「分かった、またな。』
「………さて、私もそろそろ怪しまれる頃よね。」
通信も終わり、アースラの通信室にはエヴァ一人だけが存在している。
「逃げる準備はいつでも出来てるけど……その前にあの男、ドウェル・ローランについて調べなきゃね。」
エヴァが知っているのは、ドウェルがアージェントの歴史学者であり、暁人の父、白峰日暮と親交があったらしい事だけだ。
管理局のデータベースにも彼の情報はあったが、分かったのは歴史以外にも広範な知識をもっている事と、低ランクではあるが彼も魔導師である事だけだった。
「あと……これね。」
エヴァは自身の魔導書型デバイス、《四季の書》を開くと、そこに表示された一枚の文書を睨む。表題は『プロジェクト“白雪姫”』。無限書庫の片隅に眠っていたものだ。
何十枚もある資料の一枚目だったのか、表
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