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俺のペットはアホガール
「天誅」3-1
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地獄に、なのねっ。みなまで言わなくてもわかるわ。なんて酷いデカパイ泥棒猫女なのかしら!?

「わたしたちの敵。健康男子のしゅうくんには目の毒。
 でもちよこちゃんにとっては……大切なおともだちなんです」

「えっ?」

なんでここでちよ子の名前が出てくるのよっ聞き返そうと、後ろを振り返ったら

「いないわ…」

後ろには誰もいなかった。握られていた腕にはまだ彼女のぬくもりが残っている。
確かに彼女は私の後ろに居て話をしたはず、あれは夢でも幻でもないはず……。

「みんなオッハー☆」

「やっぽ〜〜☆」

「よぉ」

不思議な白昼夢に浸っている場合じゃなかったわね、ちよ子達がやってきてしまったようだわっ。
あの娘たちにバレないように尾行して、あっくんとイイ感じになりそうなってる不届き物が居たら人知れず成敗する! それが今回の私に与えられた任務なのよっ!
物語の後半戦に入ったところ。あっいえ。タイトルが出てきてないから、正確に言うなら前振り部分が終わろうとしているってところかしら?
まあどちらでもいいわね、そんなことっ。このままダラダラズルズル進んで行った挙句に、何もないまま終わってしまう方が一大事だったわよ。
さあ、電車に乗るあの娘たちを尾行して……

「高浜。着物着てるのか? 風流でいいなそうゆうのも」

「りっちゃん、お祭りに行くのー!?」

「海に行くんですっ!! えっと……いいでしょう///
 おばあちゃんが着付けしてくれたんです」

泥棒猫が頬を赤くしてあっくんの前でくるりと一回転。
えっと? ちょっと待ってくださいな? 一気に情報が入って来て処理が追いつかないわ…。
高浜? りっちゃん?? ちよ子のお友達の…

「高松 律子ちゃん!!?」

えっ? ちよ子が小学生の頃、ご両親の都合でこの町に引っ越して来られて、たまたま同じクラスになったちよ子と仲良くしてくれていたあのりっちゃん!?
あのガリ勉メガネで、地味で影薄子で、皆の輪に入れなくて教室の隅っこで一人シクシク泣いていた、あのりっちゃんなの!?

「どうしてそんな雌豹みたいになってしまったの、りっちゃん!!!」

「だ、誰ええぇぇえ!!?」

あ。興奮しすぎて思わず電信柱の後ろから飛び出して、りっちゃんの肩を掴みかかって叫んでいたわ…。

「あっお母さん♪」

「千代紙君の母上殿ではないか」

「う……(あの人苦手…)」

「どうしたんですか、しーさんっ??」

「ふぁ……(また面倒くさい人が来ましたねぇ〜……このまま寝たふりでもしてましょうか)」

「……はぁ(なにしでかす気だ。あの人は…)」

「あ。ヒコーキ雲じゃん! 写メ撮ろ〜と♪」



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