第23話「第三の―――」
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この世界で目覚めたばかりの頃はコッソリとノブナガの物を読んでいたりしてたのだが、パクに見つかってから全て処分されてしまい。なおかつ、俺の行動範囲内から徹底的に排除されしまった。
そんなこんなで、修行や勉強に明け暮れていたために久しぶりに触れた娯楽に対して、どういう反応をすればいいのか困ってしまう。
そんな俺の困惑を気にもせずに、バックからゲームのソフトらしきものを数本取り出して、
「入院が長くなるみたいだし、暇つぶしの道具があった方がいいでしょう?」
「えっと……ありがとうございます」
「あれ?ユイちゃん、ゲームしない子?」
「そう、ですね。初めてではないですけど……」
「それじゃあ、簡単なヤツからやってみようか」
慣れた手つきで自分と俺のゲーム機に、マルチ対戦型のパズルゲームのソフトがセットすると、説明をする為だろう。ベット端に腰かけて肩が触れあってしまうほどの至近距離まで身を寄せてきた。
勢いよく移動してきたために、エミリアの髪の毛がフワリと跳ねるともに甘い香りが隣からしてきて、ドキリと胸が高鳴り顔が熱い。
おっ、おおおお、おち、落ち着け!
前世の年齢を合わせれば、一回りも歳が離れた妹のような相手だし、今の俺は“女”だ。同性に対して、そんな邪な感情など……あっ、エミリアって化粧してなくてもまつ毛が……って、チッガーーウッ!!!
旅団の皆とはまた違った。自由というかパーソナルエリアをガン無視した行動に、思考が乱れてしまっていたが、ゲーム画面にエミリアからのチャット機能を使ったメッセージが届いた瞬間。醒めた。
『監視されてる』
自分でも驚くほどにスッと冷静になった俺は、自分の状況を改めに思い出し、愕然とした。
目覚めてから、見知らぬ場所なのに念獣などを使っての周囲確認を怠っていたことから始まり、自分の容姿を隠さずに担当医らに見せていることなど、自分が狙われているという事を忘れているかのような行動の数々。
昨日のノブナガが言った「重病人」というのは、その言葉通りではなく不用心さの事を比喩していたのかもしれない。
すぐにハクタクを顕現させて状況把握を図りたいところだが、エミリアがゲームという隠れ蓑を使って伝えてきたという事は、隠しカメラなどがある可能性を考えての事だろう。
ただ、昨日はノブナガが不法侵入していたのに、担当医の態度などに変化がなかったとなると監視の目は部屋の中にはないのかもしれない。
とはいえ、用心に越したことはない。ゲームを進めつつ、自分もチャット機能を使って返事を送る。
『いつから』
『運び込まれてから』
『相手は』
『不明』
あまり長い文を打ち込めないので時間がかかったが、おおよその状況が
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