第20話「腕試し-1」
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撃を中止させる。
襲い掛かったヒスイ10体が、同時に何かに斬られたかのように様々な角度から両断されて消失したのだ。
破壊されるのは分かっていたので、それほど念を込めてなかったとはいえ、それなりの強度があるはずのヒスイが簡単に、それも同時に破壊された。
隙あらば追撃を、と考えて相手の動きに注視していたのに動いた形跡はなく、強いて挙げれば彼女の髪の毛がフワリと風を受けたかのように……風?……まさか
「……カマイタチ」
「凄いわね。一発で看破されるとは思わなかった」
無意識に零れた呟きを拾ったエミリアは、驚きの声を上げつつも何故か嬉しそうな表情で俺を眺める。
何となく俺に対する評価が上がったような気がするが、前世では異能者を取り扱った娯楽作品なんていうのはごまんとあったから、変化があった箇所から何となくあたりをつけただけであって、観察眼系の良評価をされても困るんだが、そんなことを説明しても意味はないので黙っておく。
それよりも、相手がどうやってヒスイを迎撃したのだろうか?
キルアがオーラを電気へ“変化”させたように、オーラを風へと変化させているのか?
周囲の大気を“操作”して、圧縮して展開させているのか?
いや、単純にオーラを刃のようにして“放出”させているのかもしれない。
「じゃあ、攻守交替ね」
「……っ」
その言葉と同時に、エミリアの姿は“消えた”。
彼女のいた場所から粉塵が舞い上がっているのを視界の端に捉えつつ、注視していたのに見逃してしまった相手を補足するために、地面で蠢いていたハクタク達を全方位に向けて放つ。
この子らには、範囲は50cmにも満たないが“円”が展開されているので……
「―――そこ!」
「っと」
すぐさま反応のあった右後方へ向けて裏拳を放ちつつ、ヒスイ3体を顕現させて上・中・下の三方向から追撃を仕掛ける。
俺が対応して反撃してきたことは予想外だったのか、若干の驚きが混じった声を上げつつも俺の拳を軽く往なし、三方向から迫ってくるヒスイを“カマイタチ”で両断すると、周囲へと放ったためにハクタクがいなくなった俺の足元に、台風レベルの風圧が襲い掛かってきた。
裏拳という反撃方法によって体を軽く回転させていたために、足払いのように地面と離れ離れになった俺の体は独楽のように回転してしまい、相手に対して隙だらけの脇腹を晒してしまう。
当然、隙を作り出したエミリアはチャンスを逃すはずもなく、密着するかのように一歩踏み込んできつつ俺の脇腹へ手を添えると、次の瞬間―――
「破っ」
「ぅ、がっ……!?」
足を払われた際に感じた風圧の数倍もの圧力が脇腹へ襲い掛かり、浮いている現状では踏ん張ることも出来ず、こ
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