第19話「出会い-2」
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、何ですか?」
俺の同じ言葉で違う意味の質問にエミリアは微笑みを浮かべ、「少し待って」と徐にメガネを外した。
とっさに念能力の発動条件なのかと思って腰が浮きかけるが、そんな俺を気にした風もなく外したメガネをテーブルに置き、右手で右目を隠したかと思うと……
「……っ!?」
「目的は、同族保護よ」
淡い輝きを放つ右目に気圧される俺を見ながら、エミリアはそう言った。
右手の指先には蒼い色をしたコンタクトレンズが乗っていることから、原作でクラピカも使用していた目の色を変えるカラーコンタクトのようなもので、髪の毛なんて染めてしまえばいいだけだから瞳以上に容易に隠せるだろう。
こちらから探さないと何も見つけられないと思っていた存在が、こんなにも早く、それも向こうの方から接触をしてくるという予想外な展開に、どう対応して良いのか分からずに固まってしまう。
俺の反応は予想通りだったのだろう、騒がれる前にとでも言うかのように、エミリアはカラーコンタクトを再度装着しながら言葉を並べていく。
「同族だと気づいたのは、カストロ戦よ。あの攻撃を受けたせいで動揺したのでしょうけれど、攻撃の余波でフードが取れて私の位置からは貴女の瞳がよく見えたわ。一瞬とは言え貴女を注視していた人の何人かには確実に見られたでしょうね」
「……」
「だから貴女の事を調べつつ、人体関係のコレクター達がよく利用する裏サイトを巡っていたら……案の定、貴女に懸賞金が賭けられていた。せっかく見つけた同族を、こんなことで失いたくない。だから強引な手段を以って、こうして接触したのよ」
前世も含めて、今まで「種族」の括りで命の危機に瀕したことがなかったせいか、希少種であることが露見してしまった場合の危険性を理解していたつもりで理解できていなかった。
世界七大美色の“緋の目”を持つクルタ族の生き残りであるクラピカが、自身の部族名を明かさずとも民族衣装に身を包み行動していたのを知っていた故か、どこかで侮っていたのかもしれない。
たった一度、顔を見られただけで動き出した裏の世界の怖さを今更ながら実感して、何かに縋って自己を保ちたかったのか、気が付けばテトを抱きかかえてしまっていた。
そんな俺の行動を見たエミリアは数秒ほど瞑目すると、小さな頷きと共に何かを決意したような表情で俺を真正面から見据える。
**********
「火急―――急ぎの目的があって闘技場にいるのでは無ければ、私は貴女を雇いたいの。どうかしら?」
「……ふぇ?」
エミリアの提案に、驚きすぎたのか間の抜けた返事を返すユイ。
驚かれる事は予想していたものの、その予想以上の驚きっぷりを披露した彼女の姿に、エミリアは笑い出したい衝動
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