第18話「出会い-1」
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相手の、エミリア=サローニよ」
「初めまして、ユイ=ハザマです」
非生産的な自問自答している間に近くまでやってきた彼女は、礼儀として本人確認を行いつつ自己紹介をしてきた。
既に調べが付いているのだろうから正直に身元を明かし、相手が仕草で対面への着席を求めてきたので、椅子へ軽く手を向ける事で了承の意を示す。
さすがにリラックスできる状態ではなくなったのだろう。テトは軽く体を伸ばしてから、私を護衛するかのように傍らに移動すると、その場にお座りをしてエミリアへと視線を込めつつも耳を小刻みに動かして周囲を警戒し始めた。
そんな小さな護衛に、たぶん同じ意味の笑みをエミリアと共に浮かべつつも、こうして会談の席を設けた目的を果たすために気持ちを切り替えると、それに気づいたエミリアは笑みの意味を変えつつも、僅かに姿勢を正してこちらを見据える。
「さて。こうして私と会ってくれたと言う事は、一定の信用を得られたという事で良いかしら?」
「……ええ」
正直にいえば信用云々よりも、“前払い”の出元をハッキリとさせたいから会う事にしたのだけれど、それを話すようなことはしない。
だから、言葉遊びに入る前にこちらの本題へ入らせてもらう。変に言葉遊びを持ちかけられても応えられる応用力と舌を持ってないからね。
「貴方の目的は、何ですか?」
「随分と性急ね?まあ、貴女の気持ちは分からなくはないけれど」
「…………」
「そんな怖い顔しないで、貴女と接点を持ちたかった理由は二つあるわ」
「二つ?」
「そう、“警告”と“協力”よ」
「……っ」
世間話をするかのようにスルリと出てきた“警告”と言う言葉に、身構えていたにも関わらずピクリと体が震えてしまった。
幻影旅団の庇護下という十分に狙われる要素を持っているというのに、まるで心当たりがあるかのような反応をしてしまった自分を内心で罵倒しつつ、相手の言動に注視する。
「心当たりがあるようだけれど、たぶん別件よ」
「……?」
「これを見て。貴女の事を知っていた事と、警告という言葉の理由よ」
テーブルに滑らせるようにして差し出された二枚の紙が、俺の目の前で止まる。
一枚目は、文頭に「天空闘技場選手一覧」と書かれており、左側の帯にズラリと並んだ名前から俺の名前が選択されており、履歴書のように登録時に記入した名前等の個人情報、戦績と簡易的な戦闘スタイルと共に隠し撮りされた俺の写真が数枚掲載されている。
そして二枚目は―――
「……捕獲依頼?」
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