暁 〜小説投稿サイト〜
キコ族の少女
第18話「出会い-1」
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のは当然として、部屋を出た時から50体ほどのハクタクを周囲へと散らして独自の警戒網を形成している。

 別に自慢をしたいわけではないが、ハクタクを使った警戒網にはそれなりの自信を持っている。
 壁や地面といった物理的な障害をすり抜ける事が出来、念獣は“隠”でそこいらにいる念能力者では容易に視認できないだろうし、通信機能を応用した集音能力から覗き見る事が難しい場所の様子も窺うことが可能だ。
 さすがに、カメラなどを使った遠方からのデジタル的な監視等を感知することは出来ないが、周囲に散らしている念獣からカメラの位置や向きを確認して予測をすることは可能だ。
 それに俺の警戒網を潜り抜けられたとしても、保険として野生の勘というべきテトの警戒網がある。
 もしも、これら全てを潜り抜けて俺達に何からしらのアクションを起こせる相手だとしたら、実力が違いすぎて対応なんて不可能だろうが、そんな強者であれば態々こちらを呼び出す必要性はな……

 っと、予定の時間より10分ほど早いが、こちらに近づいてくる“それっぽい人”を捉えた。
 
 見た目は20代前半と言ったところか?
 肩まであるストレートの茶髪、黒のパンツスーツに身を包み歩いてくる姿はビジネスウーマンのようで、“練”も垂れ流しと言うか周囲との際はないしで、通勤途中の一般人のように見える……が、それとなく周囲へと視線”を飛ばしている点で一般人ではないだろう……というか、監視に気づかれそうな予感がして安易に念獣を移動させづらく、相手の表情が確認できない。

 テトをチラリとみると耳を立てて周囲を探ってはいるようだが、リラックスした状態を変える様子はないようで、近づいてくる相手は彼の野性的な感性に危険信号を与える(感じさせる)タイプではないらしい。
 念の為に彼女ではなく周囲へと目”を走らせてみたが、俺の警戒網に引っかかるような存在は確認できない。
 事前の告知通りの単独ということなのだろう。もちろん、警戒は継続して行うが……。

 そうこうしているうちに視認できる距離まで近づいてきたので、その方向へ顔を向けると念獣を介して観た服装の女性が歩いてくるのが見え、ここで初めて相手の表情を確認することができた。
 整った顔立ちにブルーの切れ長な目、リムレスのメガネをかけた顔からは知的でクールな印象を受け、こちらの視線に気づいて微笑みを浮かべる表情から余裕が見てとれることで、最初の印象をよりハッキリとさせてくる。

 知的なお姉様好きの男が居たら、鼻の下を伸ばしてしまうだろうな。まあ俺の好みとは違うから問題ない(?)かな、というか団員ではパクがそのポジションにいるから見慣れた……いや、微妙に感じが違うから別種になるのか?


「ユイ=ハザマさんね?初めまして、昨日の電話の主で今日の対戦
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