第15話「小休止」
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てお湯に触れないようにしてしておく。
面倒なので最初は切ろうとしたのだが、猛烈に反対されて現在の腰まである長さに落ち着いている。
「ふう…」
入浴して溜息が漏れてしまうのは、日本人だからなのだろうか?
とか、どうでもいいことを考えながら手を目の前に持っていき眺める。
修行や荒事をしているのにも係らず、キメ細かな白い肌がお湯を弾いて、玉状のお湯がスルスルと手から湯舟へと流れ落ちていく。
この体になって数年、前世の記憶が薄くなり始めてきていた。
ここでの生活が非常に濃いからというのもあるが、嫌な思い出しかない前世の記憶を忘れたがっているのかもしれないとも思っている。
それに併せて、自分の中にある“男”が薄れていき、パクやマチからの指導による“女”が濃くなってきているのも感じてきてもいる。
それでも、心の中で俺という一人称を使っている現状では“男”としての部分が勝ってはいるのだが……。
記憶の方も忘れる前にと、ノートに漫画で得たこの世界の情報や未来の出来事を書き出してある。
平仮名、片仮名、漢字と、ただでさえ解読の難しい日本語で書いている上に、俺にしか判らない略し方で書いてあるから盗み見られても、短時間で内容を理解するのは難しいだろう。
とはいっても、書き出し始めた時点で結構忘れていることがあって虫食い的なものになってしまっているので情報としての価値がどれほどなのか怪しいところだ。
それに、ハンター試験の時に主人公達と会うという事以外は、本編の流れに乗るつもりはない。
ハンター試験を受けるのなら内容は分かっているほうが断然楽だし、原作通りなら一人の失格者以外は全員合格が確定しているのだから……あれ?キルアが失格になったのって確か……
「……ふぁ」
やはり疲れがあったのだろう、お湯の温かさによる心地よさも併せて、瞼が重くなってきた。
このまま思考に耽っていると寝てしまい、お風呂で溺死しかけそうになるとか笑えない状況になりそうだ。
「……寝よ」
まだ意識があるうちに、お風呂から上がるとしよう。
せっかくフカフカのベットがあるのだから、寝るならそっちで寝たいしね。
俺と同じく、眠そうにしていたテトを掬い上げると浴室から出た。もちろん出る際には湯舟の栓を抜いて、お湯を抜いておくことは忘れない。
せっかく温まったのだから冷やさないように濡れた髪と体をさっさと拭き取り、ドライヤーで拭き取りきれなかった湿り気を乾かしていく。
その間にテトは体を震わせて、ある程度水気を飛ばすとタオルの上でゴロゴロと転がりながら体を拭いていく。
その可愛い姿に萌え死にしそうなりながらも俺は髪を乾かし終えて、未だに体を転がし続けるテトにドラ
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