第14話「互角×会場の熱気=ひゃっはーっ!」
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すると、1階で感じた熱気を軽く上回る歓声と熱気が俺を包み込んだ。
だがそれも束の間、対戦相手を見た瞬間には俺の意識からシャットアウトされてしまった。
「ヒソカ!?」
「やあ」
唖然としている俺に、笑いかける変態ピエロ。
だが、笑っていても放ってくるオーラは初対面の時以上に容赦なく、思わず後ずさりしてしまう。
テトは、野生の本能からか服の中から飛び出し、リングの外へと逃げ出してしまった。
「キミがここにいるって聞いたから、来ちゃった」
「〜〜っ」
「くっくっく。療養中だったそうだけど、鍛錬は欠かさなかったみたいだね」
「こっの……変態!」
「ん〜っ、いいオーラを放つようになったじゃないか」
殺意を込めてヒソカを睨みつけるも、全身で受け止めるようにポーズをとると恍惚した表情で俺に視線を送る。
舐めるような、そして全部を見られているようなヒソカの視線と戦闘モードになった奴のマグナムが視界に入り、強烈な悪寒が全身を駆け巡り、自分の体を無意識に守るように抱きしめてしまう。
「……でも、まだ食べごろじゃない」
そういうと、突然構えを取る。
ヒソカの行動に一瞬驚くが、審査官が開始の合図を取ろうとしていたのに気付き、慌ててこちらも構えを取る。
ヒソカが現れただけで周りの声が聞こえなくなるほど動揺した自分を叱咤しながら……
「始め!!」
審査官の声を合図に、ヒソカに接近するため地面を蹴り飛ばす。
対格差から来るリーチの差を少しでも埋めてしまわないと、一方的な展開になってしまうからだ。
あと、これは自分勝手な覚悟だが念による身体強化のみで戦う。
ヒソカは、まだハクタクとヒスイしか俺の能力を見たことないし知らない。
それにここはルールなし殺し合いの場ではなく、審判もいて観客もいるルールありの闘技場なのだ。この状態で”三個目の念獣”を使い、対応される前に連続攻撃でポイントを奪えれば勝てる可能性がある。
だが、能力に頼りきった戦闘で勝つのは今後のことを考えてあまりしたくない。
ルール有の試合なら、純粋な戦闘を……そんな風に、ヒソカ的には強化系の思考で行動することにした。
幸いと言うか、テトが離れてくれたお陰で、彼を気にせず全力で戦える。
そんな俺の考えを感じ取ったのか、ヒソカは口を裂けんばかりに大きく歪めると、俺と同じように地面を蹴った。
観客的には一瞬、俺達的には数瞬で詰まる攻撃範囲へ入る直前、俺は少し強めに地面を蹴って体を少し浮かせると、その勢いのままヒソカの顔を狙った右足の回し蹴りを放つ。
当然その程の攻撃では顔の横に左腕を立てたガードをされるが、ガードされた右足を支点に体を回転させると、今度は左足
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