第13話「ユイ=ハザマ、9歳です」
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“生年月日:1989年3月8日”
ふむ。となると今は1998年だから、俺は“今年で9歳”ということになってるのか。
ん? 確かゴン達は2000年の時点で12歳になってたはずだから……年下!?
う〜ん。出来れば年上か同い年がよかったなぁ……あの二人に年下扱いされたら、地味にヘコみそうだ。
「それでは中へどうぞ」
「ぁ、はい」
自分の年齢に若干不満があるが、特に相手に伝えなければいいじゃんと思い直し、闘技場へと足を向けた。
一歩。会場へと足を踏み入れると、そこは熱気と興奮に包まれていた。
いくつもあるリングの上で様々な人間が、己の力を発揮するために雄叫びを上げたり、勝利に歓喜したり、敗北し地面へキスをしている。
前世では格闘技に興味はなかったが、この空気は悪くないなと思う。
「テト、もうちょっと中にいてね」
コートの中で丸まっているテトにそう声をかけると、モゾモゾと体を動かして了承としての意味の身じろぎで返す。
それを確認した俺は適当に近くのベンチへ腰掛け、呼ばれるまでの時間をここでの戦闘について考えることにする。
当然のことだが、念獣の使用は200階まで使用しない。
あと、攻撃に関しても一般人には念を纏った攻撃を控えること……以上二つを厳守することにした。
理由は分かっていると思うけど、外見年齢が小学生低学年ぐらいの俺でも、念を使って攻撃すれば人なんて簡単に殺せてしまう。既に一人殺しているしね。
さらに言ってしまえば、別に念を使わなくともここにいる殆どの人間なら、殺すことなど1〜20分程あれば可能だ。やらないけどね。疲れるし、意味ないし。
要は、伊達にノブナガの元で修行してきた経歴を持っているわけではない、と言うことである。
それに、念での攻撃を一般人に与えてしまうと運がいい(悪い?)人間は覚醒してしまう恐れがある。
適応されてしまい、それで悪事を行ったりされたら寝覚めが悪い。
あと、もう一つ決めなければならないことがある。
俺の右腕はほぼ完治しているものの、軽くだがまだ包帯を巻いていないといけない状態だ。
ここで、右腕を使った攻撃でもして怪我が悪化したらこれまでの療養生活は泡と消えてしまうので、基本的には足技で進んでいこうと思う。
念を使用しなくてはならない相手と遭遇しても、俺の念能力は別に手を使うものではないので問題無いしね。
『1670番、1700番の方、Hリングへどうぞ!!』
「あ、私だ」
自分の番号が呼ばれ、指示されたHリングへと小走りで向かう。テトは器用に俺の体の中で、息を潜めている。
そして、予想通りという
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