暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生と春の花達
第三幕その二
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 先生はあらためてです、学生さん達に言いました。
「それで四季だけれど」
「日本のですね」
「そちらのことで」
「うん、大体三ヶ月ごとだよね」 
 一年の十二ヶ月の中でというのです。
「それぞれの季節は」
「大体そうですね」
「春は三月、四月、五月で」
「夏は六月、七月、八月です」
「秋は九月、十月、十一月」
「それで冬は十二月、一月、二月です」
「そのうち寒い季節はね」
 先生がお家でどてらを着てコタツに入って温かいというか熱いものを楽しむ季節はです。
「十一月から三月だね」
「その五ヶ月ですね」
「十一月が秋から冬になってきていて」
「三月は冬から春になる」
「そんな感じですね」
「それで今寒いのもね」
 その三月がというのです。
「当然と言えば当然、有り得りと言えば有り得るよ」
「そういうことですか」
「じゃあ特に嘆く必要もないですか」
「そうしたこともある」
「そう思えばいいですね」
「うん、まあ春はね」
 また言う先生でした。
「そういうものだってことでね」
「納得してですね」
「そうしてそのうえで、ですね」
「暖かくなるのを待てはいいですか」
「それだけですか」
「それでいいんじゃないかな、それにもうすぐね」 
 温かい緑茶を飲みながらの言葉でした。
「桜だね」
「はい、いよいよですね」
「桜が咲きますね」
「この学園でもです」
「桜が咲きます」
「そうだね、そのことも楽しみだよ」
 笑顔で言う先生でした。
「僕はね」
「はい、もうお水取りも終わりましたし」
「奈良の東大寺のそれも」
 関西ではこの行事から暖かくなってくると言われています、冬の完全な終わりになる時だと。
「それじゃあですね」
「後はですね」
「桜が咲くのを待つだけですね」
「もうそれだけですね」
「暖かくもなってくるよ、ただね」 
 こうも言った先生でした、微妙なお顔になって。
「今年はちょっとね」
「確かにですね」
「寒いですよね」
「例年と比べて」
「そうですよね」
「それは事実だね、桜が咲くのも」
 それもというのです。
「ひょっとしたらね」
「遅くなるかも知れないですか」
「ひょっとしたら」
「例年と比べて」
「そうなるかも知れないですか」
「そうも思ったけれどどうなるかな」
 先生は今度は考えるお顔になりました。
「どちらにしても桜をじっくりと見たいね」
「はい、それは確かですね」
「桜が咲いたらです」
「もうそのままですね」
「自然に散るまで咲いていて欲しいですね」
 学生さん達もこのお考えについては同じでした。そうしたお話をしてそのうえでなのでした。
 学生さん達が帰るとです。先生は動物の皆と一緒に外に出ました。そのうえで学
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ