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ドリトル先生と春の花達
第三幕その一
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          第三幕  寒いせいか
 学生さん達も先生に研究室によく来ます、教え上手な先生に教えてもらうだけでなく先生の人柄も慕ってです。
 それで、です。学生さん達は先生に医学のことで教えてもらって満足しました。ですがこんなことも言いました。
「最近寒いですね」
「まだですね」
「どうにもです」
「寒い感じがしますね」
「そうだね、例年に比べてね」
 先生も学生さん達に答えて言います。
「寒いよね」
「三月にしては」
「何か、ですよね」
「寒くて」
「洗いものをしていると手が心配になります」
 アカギレ等にならないかです。
「もう春だっていうのに」
「何でか今年の三月は妙に寒くて」
「関東じゃ雪も降りましたし」
「三月の終わりに」
「日本で三月は冬と春の間にあると言っていいよね」
 先生は学生さん達にこうも言いました。
「そうだね」
「はい、そんな感じです」
「春って言いましても実際はそうですね」
「冬と春の間にある」
「そんな季節です」
「そうだね、だから寒いのもね」
 冬みたいな感じでもというのです。
「有り得るし仕方ないかもね」
「そうですか」
「冬に近い寒さでもですか」
「今みたいな感じでもですか」
「有り得るんですね」
「それで仕方ないんですね」
「僕も家じゃまだどてらを着ているよ」
 先生は笑って学生さんにお話しました。
「寝る時は電気毛布で」
「それでコタツですか?」
「先生のお家コタツもありますよね」
「他の暖房器具もありますけれど」
「そっちもありますよね」
「そうなんだ、だからね」
 それでというのです。
「一旦コタツに入ると出られなくて困ってるんだ」
「先生って日本人みたいですね」
「何ていいますか」
「日本人より日本人になってません?」
「どてらにコタツって」
「あと電気毛布もなんて」
「お布団だとね」
 それで寝ていると、というのです。
「どうしてもね」
「電気毛布ですか」
「それを使わないと寒いですか」
「それで使われているんですか」
「あとお風呂もいいね」
 そちらもというのです。
「あったまるよ、あと食べるならおでんにお鍋におうどんだね」
「さらに日本的ですね」
「今も日本の緑茶飲まれてますし」
「しかも蜜柑もあって」
「先生って日本的ですね」
「何かと」
「うん、自分でもね」
 先生ご自身もとです、笑顔のまま言うのでした。
「日本的になったと思うよ」
「日本語も凄くお上手で」
「僕達より日本的ですよ」
「今も普通に日本語でやり取りしてますし」
「そうした風ですから」
「馴染んでるというかね」
 先生はこうも言いました。
「日本に入っていってるね」
「イギリスから日本ですか」
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