2人の先輩
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ともあって2人にアドバイスがもらえればなと」
今回の目的はグラウンドでの練習時間の確保だけではない。実力のある社会人野球チームに所属する先輩2人に彼女たちのプレーを見てもらい、アドバイスがもらえればと企画したのだった。
「野球は経験値がものを言うし、できてまだ浅いチームなんだろ?そんなんで3年間やって来た奴等を倒せるのか?」
「それはなんとも・・・ただ、ベストは尽くすつもりです」
予想通りの台詞に思わず笑ってしまう2人の先輩。しばらく笑い落ち着くと2人はスッと立ち上がる。
「午後から時間があれば見に来るからよ。ただ仕事の方も今色々詰まってるからできる限りでって感じだけどな」
通常の社会人野球をやっている企業とは異なり選手たちも普段は仕事に従事することが多い那覇電気。この日のように午後から練習する日もあれば定時後に練習を行うこともある。
「はい!!よろしくお願いします」
忙しい中時間を作ってくれた先輩方に深々と頭を下げる剛。徳川と八崎はそれを直させた後、練習へと戻るため本部席を後にした。
日が暮れて夕日が沈み始めた頃、練習も終わりに近付いたこともあり剛は穂乃果たちを集めてミーティングに入っていた。
「各々感じたことはあるだろうし、刺激を受けたこともあるだろう。で、ここでお前たちに紹介したい方たちがいる」
突然敬語になったことに違和感を覚える穂乃果たち。剛が招いた人物たちを見た瞬間、野球マニア2人の顔がパッと明るくなった。
「俺の高校時代の先輩でこちらが徳川和成さん、こちらが八崎駿平太さんだ」
本部席で会話をしていた2人の先輩。明日から時間があれば見に来てくれるとのことだったので事前に紹介しようと考えたのだが、それがにこと花陽には悪影響を与えてしまった。
「徳川さんと八崎さん!?すごい本物だよにこちゃん!!」
「えぇ!!まさかこんなところで会えるなんて!!」
大人しそうな見た目の2人が手を取り合って大騒ぎしているのを見て呆気に取られる徳川と八崎。どういうことか剛に説明を求めようとするよりも早く、2人は彼らに迫っていた。
「夏の準々決勝と準決勝の好投すごかったです!!」
「成瀬さんからのフェンス直撃の先制打!!今でも覚えてます」
圧されまくっている先輩方に申し訳なくなった剛がずっとしゃべっている2人を引き剥がし落ち着かせる。後ろでそれを見ていた仲間たちは何がなんだかわからず呆然と立ち尽くしていた。
「えっと・・・詳しいことはにこと花陽に後で聞いてもらえばいいから、簡単に紹介させてもらいます。
徳川さんは俺の1年の時のエースで一昨年まではプロでプレーしてました」
「プロ・・・ってプロ野球!?」
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