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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica6-Bその日、王は少女になる〜My Family〜
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ライハイト邸へと向かう。その車中で、「ところで」とイクスヴェリアがそう前置きしてわたし達を見た。

「これから何とお呼びすれば? 一応わたしが末の娘になることは判りましたが・・・。私、家族というものを知らないので、どうすれば良いのかが判らないのです」

なんて寂しいことを言うイクスヴェリアに、まずわたしから「シャルって呼んで♪」って伝えると、「姉と呼ばなくていいのですか?」って聞いてきた。

「一応はあなたが妹ってことになるけど、そんな関係に拘らなくても良いかな〜って。わたしもイクスって呼ぶし、だからイクスも姉以上の家族としてシャルって呼んで欲しいな〜♪」

「私はそうね〜・・・、お母さん、母さん、ママ、母様、そのどれでも良いから呼んで欲しいな〜」

「わ、私も出来れば父として見て頂ければ・・・。呼称は好きに呼んでもらいたい」

楽しげに笑う母様と照れ臭そうに笑う父様。イクスは少し考えた後、「コホン。では・・・」と居住まいを直した。

「改めてご挨拶させてもらいますね。フライハイト家にお世話になります、イクスヴェリアです。よろしくお願いします、父様、母様、イリス♪」

こうしてイクスがフライハイト家の一員となった。

†††Sideイリス⇒????†††

イクスヴェリアという自我を抱いたその瞬間から、私は冥府の炎王として生きることが定められていた。母も父も居らず、マリアージュという死体兵器を造り出すために開発された。最初の頃は、何も疑問を抱かず命じられるままに本陣に立ち、戦場で斃れた敵味方を問わずにマリアージュへと変化させ続けた。

「・・・もしもーし。お母さんだけど・・・うん、ありがとう。急で悪いんだけど、2階のイリスの部屋の隣、確か空き部屋だったわよね? そこを手の空いてるみんなで片付けて、今すぐに使えるようにしてもらえる?・・・うん、そう。詳しくは後でみんなに話すけど、今日から新しい家族が1人増えるのよ。・・・うん、女の子。すっごい可愛いの♪」

まさか生と死を冒涜し続けた私に、家族が出来るなんて思いもしなかった。私の部屋を用意してほしい、と家の人に伝えているのは今日から母になるマリアンネ。すでに50代半ばらしいですけど、とてもそうは見えない若々しい女性です。

「あの、家にも他に御兄弟が・・・?」

母様が端末越しの通信相手に対して、お母さん、と自称していたことからそう考えて、父様とイリスの2人に尋ねてみた。

「あ、うん。いるよ。この車を運転してるルーツィアと、いま母様が通信してるルーツィエは、わたしの義理の姉なの♪」

「2人はまだイリスが生まれていない頃に養子として引き取ったのですよ。私も妻も、もちろんイリスも、2人を娘として姉として見ています。使用人のようにしているのは2人の希
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