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Darkness spirits Online
第5話 帝王の影
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。ギルフォードは電子音声と共に、「原始勇者(げんしゆうしゃ)ディアボロト」への変身を果たすのだった。

 その威厳に溢れた立ち姿を前にして、キッドとトラメデスは同時に銃を下ろしてしまう。――直感で、分かってしまったのだ。この鎧騎士には、銃も通じないのだと。

「そう。勇敢な兵士達は、愛と勇気を武器に戦い――華々しく、散る。……いかがです? 即興にしては、悪くない物語でしょう? 英雄譚に、悲劇は付き物ですからね」
「……へっ、悪いがお前の英雄とやらになるつもりはない。その脚本寄越しな、ハッピーエンドに書き換えてやるぜ」
「お前は絶対に、ここで阻止する……! 先任、これを使うしかありません!」
「らしいな!」

 ギルフォードの「物語」。それを否定すべく、キッドとトラメデスは先ほど奪ったブレイブドライバーを、自分達の腰に装着する。
 目の前に立ちはだかる、この「帝王」を攻略するには――こちらも「変身」し、同じ土俵に立つしかない。

 ディアボロトから放たれるプレッシャーからそう判断した彼らは、矢継ぎ早に「変身」のスイッチを口にする。

 ――発動!

 その声が、重なる瞬間。

 2人の全身は、ギルフォードと同じく眩い輝きに包まれ――その中から、バシネットの騎士とグレートヘルムの騎士が顕現した。

Set up(セタップ)!! Fourth(フォース) generation(ジェネレーション)!!』
Set up(セタップ)!! Fifth(フィフス) generation(ジェネレーション)!!』

 ――やがて。変身シークエンスの完了を告げる、電子音声が鳴り響き。

 トラメデスは「第4世代(フォースジェネレーション)」の「砲皇勇者(ほうおうゆうしゃ)ヴァラクレイザー」へと変身。
 キッドも、「第5世代(フィフスジェネレーション)」の「覇銃勇者(はじゅうゆうしゃ)サブノルク」へと変身するのだった。

「さぁ……私の、華々しい『最期』に向けた予行演習です。たっぷりと……戦いを、謳歌しましょうか」
「……いいだろう。予行演習で、お前はゲームオーバーだ」
「お前だけは、逃してなるものか……!」

 これ以上の、ギルフォードの「物語」を阻止するべく。2人の「甲冑勇者(アーマードブレイブ)」が立ち上がろうとしていた。
 ――この先に待ち受ける未来など、知る由もなく。

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