暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
コラボ
〜Cross over〜
Escalation;激化
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をぞっとしたものが流れた。
校舎が丸ごと消失するには、それほど時間はかからなかった。
まるで最初からそこには何もなかったかのように、黒い影に波紋のようなものを残して吸い込まれる。その後、影は滲むように消えた。校庭と同じくタイル張りの地面のみが残る。
言葉もなかった。
―――第四象限……空間浸食、だと?それも、見た目からでは窺い知れないほど大規模で精緻に制御されている。こんな代物、王クラスでも途轍もない長時間の精神集中が必要になるはず……。
それを、そんな現象を。
「――――ッ」
思わず対戦相手を見る目に力が入るが、とうの少年はそれに気づいて苦笑するように口元を歪ませながら肩をすくめた。
堪え性のない子供を見ているような、そんな表情。
その顔に思わず何かを言い返したくなったが、それより一瞬早く甲高い声が校庭に響き渡った。
「おい!おいおいオイ!何がどーなってやがんだ!?」
少年のコートより若干鮮明な赤で、小柄な全身を覆う半透過アーマーを彩るデュエルアバター。
赤の王。
《
不動要塞
(
イモービルフォートレス
)
》スカーレット・レイン。
戦闘が開始されたとBBシステムが判断したことにより、
観戦者
(
ギャラリー
)
であった彼女は最低三十メートル以上離れたランダム地点へ転移されたはずだ。
おそらくは校舎を挟んだ裏側に強制転移されたのであろうニコは、突如として消えた校舎に眼を白黒させていた。
その時、黒雪姫ははっきりと目撃した。
紅衣の少年の口元に浮かぶ、三日月のような笑みを。
その意味を。
役者は揃った。
では始めよう――――
対戦
(
あそび
)
ではない、
本番
(
コロシアイ
)
を。
ず……、と矮躯が不気味に膨らんだように感じた。
にじり寄る暴威に、肌がチリチリと粟立つ。
怪物が、楽しげにその本分を発揮しようとしていた。
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