淫魔インキュバス
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するわよ!」
男は事務所に向かわずホテルへ向かう
「違う違う、そっちじゃないでしょ?」
男はまたセンターミラー越しにニッコリと笑う。
「うっ、と、とにかく戻しなさい」
車がホテルの地下駐車場へ降りていく。
「戻りなさい、写真とか取られたらどうするのよ!」
男が車を駐車して降りる、そして後部座席のドアを開く。
「さあ降りて」
そう言ってニッコリと笑った。
(この子可愛い……)
「も、もう……しょうがないわねぇ」
いつしか女は男の笑顔をもう一度見たいと思っていた。
テレビは民民党の党首のスキャンダルで持ちきりだった。
政治評論家が神妙な面持ちだ。
「これで日本の未来が大きく歪みました」
美樹は煎餅を食べながら見ている。
「ポリッ、パリッ」
「政治家もたいへんねぇ、この人綺麗だから余計ね」
美樹の母が家事を終え腕を組みながら感想を述べている。
「私、政治家になろうかな日本を良くしたいの、悪魔から日本を守るの」
「ええ?あ、く、ま? あんた何言ってるの?」
母がケラケラと笑う、娘が小学生から成長してないとでも思っているのだろう、しかし美樹は心の底の方で感じていた。
(これは悪魔の仕業だ)
美樹は最近無意識の内に色んな所へ出かけるようになった、到着してから、
(あれ?私何しにきたっけ?)
まだ認知症には速すぎると思う。
そしてこの日も知らぬ間にある会社の前に来ていた。
(またやっちゃった、私……何しに来たんだろう?……私は……誰?)
黒いスーツ姿の男が会社から出てくる。
美樹は下を向いている、立ったまま寝ているかのようだ。
男はその若い女に興味を持った。
(コレクションを増やすか)
「コツコツ」と革靴の音を立てながら美樹に近づいて行く。
「お嬢さん、どうかされましたか?」
美樹が顔を上げる、男がニッコリと笑って凍りつく。
「お、お前は……」
美樹がニヤリと笑みを浮かべる。
美樹の目がすわっている、いや魔王卑弥呼の目だ。
「淫魔インキュバス、こっちに来てから何人の女に手を出した」
「あ、あんたにゃ関係ない、ほっといてくれ、あんたには迷惑かけて無いはずだ」
「迷惑なんだよ、党首に手を出したりここの社長に手を出したり」
「だから何であんたに迷惑がかかるんだよ」
男は明らかに狼狽していた、悪魔だが声をかけた自分を呪う。
「ここの社長は日本に貢献してる、お前のせいで業績がだだ下がりだ」
男は外国人のように派手に両手を広げながら
「はぁ?日本に貢献?」
「そうだここの社長のやってる事は日本の為になる」
「おいおいどうかしちゃったんじゃないの?あんたともあろう者が日本だ? 人間界に寝返ったんならせ
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